2001 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル競争に直面する中国鉄鋼業のリストラクチャリングに関する研究
Project/Area Number |
13730028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川端 望 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (20244650)
|
Keywords | 鉄鋼業 / 中国 / グローバリゼーション / 山西省 / 宝山鋼鉄 / 小高炉 |
Research Abstract |
本年度は、(1)資料の収集と整理、(2)実態調査を行った。 中国鉄鋼業、及び中国産業全般に関する文献・統計資料を広範に収集した。中国の文献に関する情報は不足しているため、現地での収集活動も行った。また国内でも様々なルートから資料を収集した。たとえば大学内においては、付属図書館の本館・各分館に戦前・戦中の中国鉄鋼業に関する資料が蓄積されていることが判明したので、これを検索・収集して整理した。また、大学内での検索や通常の図書購入に留まらず、日本鉄鋼輸出組合およびアジア経済研究所の保有する資料を検索し、出張して収集した。これらの活動によって、中国鉄鋼業の構造と歴史に関する基本データが明らかになるとともに、近年の価格自由化や株式会社化、企業集団化など産業政策・産業動向に関する有力な情報を確保することができた。 平成13年7月には、中国山西省の独特な構造を持った地域製鉄業の実態調査を行った。省政府、嵐県政府を取材して第十次五カ年計画のもとでの産業政策と環境政策の現状を取材した。また嵐県及び交口県で小高炉企業を訪問し、生産管理、経営管理、環境管理に関する調査を行った。交口県の企業では、山西省製鉄業の近代史とグローバル競争への対応に関する講演を行い、経営者と意見を交換した。このときの講演内容はワーキング・ペーパーにまとめてプリント版とウェブサイトで公表し、関連研究者との意見交換に役立てている。 これらの活動によって、中国鉄鋼業の多層的な構造の存立条件、グローバル競争の下での変容について一定の知見を得ることができた。 本年度の研究はほぼ研究計画調書に記したとおりに進行したと言える。来年度は、(3)補足調査と(4)研究成果のまとめに移る予定である。
|
Research Products
(1 results)