2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13730032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
久保 克行 一橋大学, 経済研究所, 講師 (20323892)
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Keywords | 役員報酬 / インセンティブ / メインバンク / 賃金 / コーポレート・ガバナンス / 取締役 / トーナメント |
Research Abstract |
本年度の研究では、経営者のインセンティブ、企業の業績および安定したメインバンク関係の間の関係を分析した。過去の研究ではメインバンクと企業業績の変動の関係が賛否両面の立場からなされてきたが、この論文では、メインバンク関係が経営者のリスク、具体的には役員賞与の変動に対して与える影響に着目している。1989-1999年の電気機器産業56社のデータを用いた分析の結果、企業業績の変動などの要因をコントロールした上で、安定したメインバンク企業を持つ企業では経営者の賞与の変動が有意に小さいことが示された。すなわち、メインバンク企業を持つ企業の経営者は、より安定した賞与を得ているといえよう。また、確率的生産可能性フロンティアを用いた分析では、安定したメインバンクを持つ企業の業績は、それ以外の企業と比較してやや低いことが示されている。 また、同時にメインバンクと企業内の所得格差の関係をもあわせて分析した。経営者と一般従業員の所得格差の分析にはトーナメントモデルがしばしば用いられてきている一方、役員報酬の分析にはエージェンシー理論が用いられることが多い。この研究では、トーナメントモデルとエージェンシーモデルを組み合わせることにより、企業内の所得格差と経営者のインセンティブを分析した。その結果、銀行から派遣された取締役が経営者に対するモニタリングの役割を果たしていること、トーナメントモデルが日本の企業内の所得格差を説明していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)