2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本の低成長期における性別雇用構造の編成と労働組合に関する実証的研究
Project/Area Number |
13730036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
山田 和代 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (50324562)
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Keywords | 労働組合 / 女性労働 / 雇用の女性化 / パートタイム / ジェンダー / 労働市場 / 未組織の組織化 / 女性組織 |
Research Abstract |
本研究は、1970年代、80年代の日本の労働市場において、雇用の女性化の進行と女性パートタイム労働の増加を背景にしながら展開された、労働組合の運動・政策のあり方について分析することである。 平成13年度は、日本の労働市場についてジェンダー視点から分析した代表的研究文献および日本の労働運動についての研究文献で指摘されてきた論点について整理を進めながら、主な研究作業の一つとして、1970年代、80年代の官庁統計資料および労働組合作成資料の閲覧、収集をおこなった。もう一つは、それらの統計資料を用いて、先行研究で指摘される論点の理解を深めるためにも、女性の労働力編成を中心とする外部・内部労働市場の基礎的分析をおこなった。そこでは、女性の労働力率・雇用率の推移、産業別・職種別の推移、女性パートタイム労働者の産業別の推移、女性パートタイム労働をめぐる雇用管理の状況、産業別・ナショナルセンター別の労働組合組織状況(実数、組織率)の把握などを試みた。 統計資料による基礎的把握をふまえ、労働組合の運動・政策を分析するにあたっては、同時期の女性雇用や女性パートタイム雇用の拡大に対して、まずこの傾向がみられる産業の労働組合の見解にも留意しながら分析する必要があるという点を得た。次いでその傾向に対して労働組合が組織化対策、雇用対策などを検討していく過程を解明する場合に、本研究では、労働組合女性組織を中心に展開されてきた諸活動が、それへの対応の一つとしての重要な役割の意義を提起するものであったのではないかという検討課題を今年度の研究成果として得た。そしてこの課題は先行する労働組合研究においては十分に議論されていないと思われ、関連する文献資料の調査、収集を進めた。
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