2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13730044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
本庄 裕司 中央大学, 商学部, 助教授 (00328030)
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Keywords | スタートアップ / 成長 / 起業家 / 資本構成 / サンプルセレクション |
Research Abstract |
これまでの一連の研究では,我が国スタートアップ企業の成長要因の分析を行ってきた.まず,既存のデータベースをもとに,製造業におけるスタートアップ企業の成長要因を分析した.その結果,以下のようなことが示された. 起業家特性について,30歳代の起業家が経営する企業ほど成長する傾向がみられ,また,40歳代の起業家が経営するスタートアップ企業の事業存続の可能性が高いことが示された.加えて,学歴の高い起業家が経営するスタートアップ企業ほど成長する傾向がみられた.次に,企業特性について,企業年齢が若く,また,企業規模が小さいスタートアップ企業ほど成長する傾向がみられた.さらに,環境特性について,産業集積が当該地域のスタートアップ企業の成長に影響を与えることは明らかにならなかった.ただし,東京都区内のスタートアップ企業ほど成長する傾向がみられている.なお,これらの分析方法については,これまでのヘックマン2段階推定法によるサンプルセレクションモデルを用いた推定だけではなく,最尤法によるサンプルセレクションモデルを用いた推定,およびサブサンプルOLSによる推定も試みている. これらの推定結果では,いまだ十分に明らかにされていない点がいくつかみられる.たとえば,設立の動機や背景,あるいは設立時の資本構成の影響はまったく明らかにされていない.また,企業特性について,企業年齢や企業規模以外の戦略的な変数の影響は十分に明らかにしていない.これまでの分析の不十分な点を踏まえて,今年度,アンケートによって,スタートアップ企業の個別特性の調査を行った.今年度から来年度へ向けては,このアンケート調査から得られたデータベースをもとに,どのような個別特性がスタートアップ企業の成長に影響を与えるかを明らかにしていく.
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Research Products
(1 results)