2001 Fiscal Year Annual Research Report
制度等の基盤的条件が異なる状況における環境政策選択問題の法経済学的研究
Project/Area Number |
13730047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松野 裕 明治大学, 経営学部, 助教授 (60308070)
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Keywords | 環境政策 / 政策手段 / 地方自治体 / 公害防止協定 / 条例 / 指導要綱 / 指針 / アンケート調査 |
Research Abstract |
2001年度には環境行政に関する地方自治体へのアンケート調査を実施した。同調査および報告者が過去に実施した調査の結果を総合すると、条例、指針、指導要綱、公害防止協定の併用の状況は、これら4つともを利用しているところは、都道府県では47.6%と半数程度であり、政令・中核市では36.8%と相対的に若干少なく、その他の自治体では8.3%と少ない、というものであった。逆に、どれも利用していないというのは、その他自治体では21.1%、政令・中核市は5.3%(1自治体)ある。ここで考察している4つの手段以外の手段が用いられることは少ないためこれらの自治体は特に環境政策に取り組んでいないものと考えられた。いずれかの手段を単独で用いている都道府県と政令・中核市は皆無であるが、その他自治体では存在し、その場合は協定か条例が用いられることがわかった。2つの手段が併用されるなら、それは条例と協定の組み合わせであることは、どの自治体レベルでも共通していえる。3つの手段が併用される場合も、都道府県、政令・中核市においては条例と協定があってそれに指導要綱か指針が加わると読める。その他自治体では3つの手段の併用としては協定以外の3つというのが多くなっている。 また、"その他の自治体"について各手段の併用パターンをより詳しく検討した結果、協定と条例、指針、指導要綱は併用されるよりも別々に利用される場合の方が起こりやすく、また他の3つどうしは併用される方が別々に利用されるより起こりやすいが、特に条例は指針、要綱利用の前提条件となっていると考えられた。 まとめると、環境問題に対処する場合には、まず、条例を用いるか協定を用いるかという選択肢があり、条例を用いる場合、指針や要綱が付随してくる、というパターンがあることがわかった。 また手段の評価のデータとあわせた分析で手段の利用状況はその評価に影響することもわかった。
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