2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国東北における国有企業改革および金融改革に関する研究・調査
Project/Area Number |
13730100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
王 忠毅 西南学院大学, 商学部, 助教授 (50299525)
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Keywords | 国有企業改革 / 金融改革 / 重点企業 |
Research Abstract |
今回の研究については、特に現地調査および現地資料収集を行い、さらにこれらのデータを中心に実証分析を行って中国東北上場企業の株主構造と企業パフォーマンスとの関係を明らかにした。そしてこの研究成果を証券経済学会第56回全国大会(2001年12月1日、九州大学で発表した。この研究結果の概略については以下の通りである。 中国東北の上場企業において特に法人株を所有している企業集団株主は企業パフォーマンスに貢献しているということがいえる(この分析結果はXu&Wangの実証結果と一致している)。さらに、本研究の実証結果では直接国家株を所有している国有資産管理局、重点企業というファクターおよび銀行株主は逆に企業のパフォーマンスのマイナス要因となることを明らかにした。このことは、市場の競争原理から遮断された重点企業の政策、そして銀行の融資政策とそのモニタリング機能を再考する必要があるということを示唆している。また、国家株主を代表する国有資産管理部門の政府官僚を積極的に国有企業経営を監督・監視させるためにはそれに対する有効なインセンティブ制度を構築する必要があると思われる これらの問題について、特に中国政府は国家所有株を51%以上に維持しようとする前提条件のもとで企業パフォーマンスを向上させるために国家株を徐々に国有企業集団所有の法人株に転換する必要があると考えられる。そして、中国政府は個別的な企業を選抜してそれを「重点企業」として育成するよりも、むしろ「重点産業(例えば、自動車産業やIT産業など)」の育成に力を入れるべきであろう。さらに、銀行の融資政策に対する政府の政策的な介入を完全に除去し、銀行が融資を行う際に国有、私有に関係なく、業績不振企業への資金供給を拒否する姿勢を持つことが重要である。
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Research Products
(2 results)