2001 Fiscal Year Annual Research Report
d-complete posetの組合せ論的及び表現論的研究
Project/Area Number |
13740012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80283943)
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Keywords | d-coniplete poset / (P, ω)-partition / labeling / hook length |
Research Abstract |
1999年にR.A.Proctorによって導入されたd-complete posetは,shapeを含む15種類のposetの結合といった形で完全に分類され,その線形拡張の個数はhook lengthを用いて表されることが知られている.shapeに対するYoung図形に関しては,組合せ論的及び表現論的に非常に重要な結果がこれまでに数多く報告されている.本研究では,Young図形に関連した様々な組合せ論的対象のd-complete posetへの拡張概念の構築及びd-complete posetに関連した表現論の考察といったことを目的とし,本年度は具体的に下記の結果が得られた.1.semi-standard tableauの候補として考えられてきた(P,ω)-partitionの拡張である(P, R)-partitionの考察を行い,PがtreeのときにはRが特別な条件(条件Tと呼ぶことにする)を満たすときに,(R, R)-partitionの母関数はsemi-standard tableauの母関数と同様の形で表せることを証明した(このときのRをproductive edge labelingと呼び,特にhook lengthを用いて母関数が記述できるときにはhook edge labelingと呼ぶことにする).特にtreeに対するproductive edge labelingは常にhook edge labelingであることもわかった,また逆に,treeTと(T, R)-partitionに対して,Tの全てのprinciple order ideal Txに対するRx(RのTxへの制限)がproductive edge labelingであるときにはRは条件Tを満たすということも示せた.2.Schur functionの拡張である(k, l)-hook Schurfunctionに対するJacobi-Trudi型の等式を証明し,系として,(k, l)-hook Schur functionに対する既知の等式の別証が得られた.尚,(k, l)-hook Schur functionに関連した等式はd-complete posetのq-hook length formulaの証明に有効となることもわかった.
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