2001 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブメッシュ有限要素法による自由境界及び内部遷移層の数値解析
Project/Area Number |
13740070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (70263358)
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Keywords | アダプティブメッシュ / 有限要素法 / 反応拡散系 / パターン / 内部遷移層 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の研究計画に基づき、次のような研究を行った。 まず、空間2次元及び3次元における1変数及び2変数反応拡散系に対するアダプティブメッシュ有限要素法を用いた汎用プログラムの開発を、フライブルグ大学で開発されたアダプティブメッシュ用C言語ライブラリALBERTを用いて行った。一般に煩雑になりがちなアダプティブメッシュのプログラミングだが、問題設定や空間次元、数値計算パラメータの変更に伴うプログラム変更が容易になり、プログラミングに要する時間を大幅に短縮できた。また、このプログラムを用いて、典型的な内部遷移層解を持つ反応拡散系、FitzHugh-Nagumo方程式及びGray-Scottモデルに対して数値シミュレーションを行った。また、標準的な数値解法の一つである一様メッシュによる差分法との比較を行った。それにより、差分法による数値解法と同程度の計算精度を保ちながら、大幅に節点数を減らすことに成功した。これまで、メモリ容量から来る節点数の制限によりワークステーション上では数値シミュレーションが難しかった、急激な内部遷移層を持つ解の高精度数値計算に道を開くものである。また、これによりワークステーションを用いた詳細なパラメータ探索など、従来の一様メッシュによる数値計算法では困難だったことも可能になることが期待される。また、計算時間の面からみて、アルゴリズムのチューンアップがまだまだ可能であると考えられ今後の更なる改良によりより高速かつ高精度な数値シミュレーションが期待される。 今回の研究は、広島大学の大学院生小村秀樹氏と研究代表者を中心に行われ、すでに国内のいくつかの応用数学関係の研究集会等で部分的な結果が発表されている。また、現在論文を執筆中である。
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