2001 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ凸関数理論の構築と組合せ最適化問題に対する非線形計画アプローチの研究
Project/Area Number |
13740079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10296882)
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Keywords | 凸集合 / 凸関数 / 凸性 / マトロイド / 劣モジュラ関数 / 離散最適化 / 非線形計画 / 組合せ最適化 |
Research Abstract |
本年度は,組合せ凸関数理論を構築すること,及びその理論に基づいた,組み合わせ最適化問題に対する非線形計画アプローチの提案を目指し,以下のような研究を行った. 1.凸関数に関する既存の研究に対する調査を行い,凸関数の概念に対する理解を深めるとともに,組合せ最適化の観点から見て組合せ凸性として満たすべき性質を探った.また,凸関数を一般化した概念である準凸関数と言う概念が提案されていることを踏まえ,組合せ的な準凸性はどのような性質であるべきか,ということについても様々な研究者と議論を行った.この研究結果の一部については論文にまとめられている. 2.組合せ最適化において効率的に解ける問題と解きにくい問題を数多く調べ,効率的に解ける問題に現れる構造について把握するとともに,凸性との関連を調べた.近年,組合せ最適化問題を非線形計画問題として再定式化し,非線形計画で用いられているアプローチを用いて解く,という試みが数多くなされているが,これらの研究について本年度は重点的に調査を行った.その結果,理論的には興味深い結果が得られているものの,実用的には乗り越えなければならない問題点が今だ数多く存在することが分かった. 3.国内外の学会,研究会に参加し,他の研究者の活動を調査した.これにより,本研究の目的の達成に有用なアイディアを多く得ることが出来た.特に,ドイツ出張の際のBorndolfer氏との議論により,組合せ最適化問題への非線形計画アプローチが有効であると思われる問題群に関する情報を得ると共に,また,このアプローチに関する有用なアイディアを得ることができた.
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[Publications] K.Murota, A.Shioura: "Relationship of M-IL-convex Functions with Discrete Convex Functions by Miller and by Favati-Tardella"Discrete Applied Mathematics. 115. 151-176 (2001)
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[Publications] K.Murota, A.Shioura: "Quasi M-convex and L-convex Functions : Quasiconvexity in Discrete Optimization"Discrete Applied Mathematics. (掲載予定).
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[Publications] S.Moriguchi, K.Murota, A.Shioura: "Scaling Algorithms for M-convex Function Minimization"IEICE Transaction on Fundamentals. 2002.