2001 Fiscal Year Annual Research Report
第二量子化された輻射場に結合したシュレディンガー作用素の研究
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13740106
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Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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| Research Institution | Setsunan University |
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Principal Investigator |
廣島 文生 摂南大学, 工学部, 助教授 (00330358)
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| Keywords | 量子電磁力学 / ハミルトニアン / スペクトル解析 / 汎関数積分 / 基底状態 / くりこみ / 赤外・紫外発散 / ギブス測度 |
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| Research Abstract |
非相対論的荷電粒子が輻射場と結合したモデルのハミルトニマンのスペクトル解析を汎関数積分、関数解析を利用しておこなった。当初の目的は以下のようなものであった。1.ハミルトニマンに付随するギブス速度の存在を示し基底状態のソフト光子の個数を評価する。2.基底状態の安定性。3.スピンをもった基底状態の縮退の様子。4.質量くりこみの問題。これらの目的に対する実績は以下である。
1.Nelsonモデルに対して以前から知られているよりもシャープにソフト光子の個数評価をした。その結果、赤外発散するとき基底状態のソフト光子の個数が発散するということを証明できた。この結果は物理学者によって民間伝承的に信じられていたものであるが、数学的に明らかになった。
2,4.Nelsonモデルに対して、(1)紫外発散のくりこみ(2)基底状態も安定性を同時に証明することに成功した。さらに(1)に加えて(3)赤外発散のくりこみにも成功した。
3.パウリ・フィールツモデルに対して、スピンを仮定したとき基底状態が2重に縮退していることを示した。これらの実績は8/12-8/18のオーベルボルファッハ(ドイツ)での研究集会、7月.12月の北大でのセミナー、10月の広島大理でのセミナー、7/25-7/27の京大数理研での研究集会で発表した。上記の1.〜4の他に
5.ハルミトニアンのスケーリング極限より実効(Effective)ファミルトニアンを導く。
6.ホワイトノイズ解析の回転群とボゴリューボブ変換のある関係、についても一定の結果を得ることができた。6.は11月の京大数理研の研究集会で発表した。
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[Publications] F.Hiroshima: "Ground states and spectrum of quantum electro dynamics of non-relativistic particles"Transaction of American Mathematical Society. 353. 4497-4528 (2001)
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[Publications] F.Hiroshima, H.Spohn: "Enhanced binding through a coupling to a field"Annales Henri Poincare. 2. 1159-1187 (2001)
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[Publications] F.Hiroshima: "Embedded eigenvalues, localization and asymptotics of quantum field models"Journal of Physics A : Math.Gen.. 35. 351-375 (2002)
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[Publications] F.Hiroshima: "Observable effects and parametrized scaling limits of a model in nonrelativistic quantum electrodynamics"Journal of Mathematical Physics. (予定).
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[Publications] F.Hiroshima, R.Minlos その他3名: "Ground state properties of the Nelson Hamiltonian-A Gibbs measure based approach"Reviews in Mathematical Physics. (予定).
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[Publications] F.Hiroshima: "Self-adjointness of the Pauli-Fierz Hamiltonian for arbtrary values of coupling constants"Annales Henri Poincare. (予定).
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[Publications] 廣島文生: "現代物理学の歴史工の第3章"朝倉書店(予定).
