2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大沼 正樹 徳島大学, 総合科学部, 講師 (90304500)
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Keywords | クエンチング問題 / 粘性解 / 退化放物型方程式 / 等高面方程式 / ペロンの方法 |
Research Abstract |
本年度の実施計画はクエンチング現象を起こす放物型方程式の等高面方程式の時間大域的解の存在を証明することでした。研究代表者は既に先述の等高面方程式に対して適当な粘性解を定義して解の比較原理について証明しています。解の構成の手法としてはペロンの方法を用いる予定でした。そのためには新たに定義した粘性解の性質を調べる必要がありました。具体的には近似方程式の解が極限方程式の解に収束する事を保証する「粘性解の安定性」と粘性劣解の集合の上限が再び粘性劣解になるという性質を証明しました。これらを準備したことによりペロンの方法を用いた粘性解の構成が可能になりました。ここで解の比較原理と存在定理がそろったことにより上記等高面方程式についての粘性解の一意存在を証明することも可能になりました。その解の性質として時間大域的であることも解の構成方法から保証されます。また、粘惟解の定義より初期関数が一様有界かつ連続ならばその解も一様有界かつ連続である事が分かります。 また、元々の問題であるクエンチング現象を起こす放物型方程式の解についてはクエンチング現象を起こした解つまり方程式に対して古典的な意味を失う場合にどの様にその後の解を追跡したら良いのかが問題になっていました。上記の等高面方程式の粘性解を用いて元々の方程式の解を定義することが可能です。その解の定義方法として上記等高面方程式のゼロレベル面を元々の方程式の解と見なします。そうすると等高面方程式に対しては粘性解が時間大域的に存在しているのでクエンチング現象を起こした後も等高面方程式の粘性解を通して元々の解が存在することが分かります。
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Research Products
(1 results)