2001 Fiscal Year Annual Research Report
結合型電波干渉計受信システムのための位相スイッチング方法に関する実証的研究
Project/Area Number |
13740123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
百瀬 宗武 茨城大学, 理学部, 助手 (10323205)
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Keywords | 電波天文学 / ミリ波サブミリ波干渉計 |
Research Abstract |
ミリ波帯における熱的放射の高解像度観測には結合型干渉計が用いられている.結合型干渉計では,「位相スイッチング」と呼ばれるテクニックにより伝送系で混入するノイズの除去や二つのサイドバンド信号の分離を行う.現在の結合型干渉計では,この変復調信号として0/90度スイッチングと0/180度スイッチングの二系統を用意し,それぞれが他基線のものと直交するWalsh関数で表現されるパターンを用いる方法が採用されているが,次世代の大型ミリ波・サブミリ波干渉計計画(ALMA計画)のように基線数が多い場合で同様の方法を採用すると,変復調信号の直交性を保つために必要なパターン長が極めて長くなるため1パターンが完結する時間も長くなってしまい,ノイズ除去やサイドバンド分離が精度良く出来ないのではないかと問題視されている.そこで本研究では,(1)電波望遠鏡の受信部・周波数変換部を模したテスト回路を作成し,それを用いて「拡張Walsh関数系」による位相スイッチング法の検証を行うとともに,(2)野辺山ミリ波干渉計に付随しているスイッチング機構を用い,変復調に使われる信号関数とノイズ除去・サイドバンド分離精度との関係を調べている.本年度はこの研究の第一年度として,以下の二つの作業を行った.まず(1)に関してはテスト回路に必要な回路の設計を進めるとともに,局部発振器の制御や購入したADボードを用いたデータ取得機能の確認を行った.一方(2)については,野辺山ミリ波干渉計を用いた測定に関して,技術的な検討を行った.この結果をふまえ,来年度早々に第一回目の測定,解析を行う予定である.
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