2002 Fiscal Year Annual Research Report
10ピコ秒の時間分解能を有する重イオンTOF検出器の開発
Project/Area Number |
13740141
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 助手 (80323161)
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Keywords | 重イオン / 飛行時間法 / ストリークカメラ / 高時間分解能 |
Research Abstract |
現在、高エネルギー重イオン実験で実用化されているTOF検出器の時間分解能は100ピコ秒が限界である。この分解能を用いて質量数Aが200以上の重イオンに対してTOF測定を行った場合、質量分解能ΔA=0.7を得るには、測定器間の飛行距離を10m以上に設置しなければならず、実験施設そのものの大きさにまで制限を与えてしまう。従って、高い時間分解能を持つ重イオンTOF検出器の早急の開発が望まれている。 本研究は、ストリークカメラの原理をはじめて重イオンTOF検出器に応用し、従来のTOF検出器と比較して「10倍の時間分解能である10ピコ秒の時間分解能を有する重イオンTOF検出器システムの実用化に向けた基礎開発」を目的として行った。本システムの主要部分であるストリークカメラの基礎動作試験は完了しており、ストリーク像を高い計数率で読み出すことができる二次元位置検出器の開発を目的に、平成13年度は二次元位置検出器であるマイクロチャンネルプレート(MCP)とウィッジ&アノードストリップ(W&Sアノード)の基礎特性試験を行った。具体的には、MCPとW&Sアノードを組み合わせた検出器を専用真空チェンバーに設置して、α線および水銀ランプの紫外線をMCPに入射させて位置の一様性および位置分解能について調べた。その結果、位置特性はストリークカメラの有効面積内直径20mmφで一様であり、位置分解能100μmを達成できた。 以上の開発が終了したため、平成14年度は本検出器を実際にストリークカメラに組み込み理化学研究所サイクロトロン施設にあるE1Cビームラインで特性試験を行った。使用したビームはエネルギーが135MeV/Aの^<20>Neビームである。まず、ストリークカメラのターゲットにアルミニウムと金を使用して検出効率を調べた。その結果、ターゲットからの二次電子放出率が低く、検出効率は50%であった。そこで、ターゲットにCsIを用いてその厚みに対する検出効率の依存性を調べた。CsIの厚みを20μg/cm^2以上にすることによって、99%の検出効率を達成することができた。以上の研究により「時間分解能を有する重イオンTOF検出器システムの実用化」に一歩近づくことが出来た。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Ohnishi, K.Morimoto, F.Tokanai, I.Tanihata: "Development of Time-of-Flight Detector with Straek Camera III"RIKEN Accel. Prog. Rep. 38. (2003)