2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射化法によるミュオニウム・反ミュオニウム変換検出感度の改善に関する研究
Project/Area Number |
13740166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 正治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80290849)
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Keywords | レプトン・フレーバー非保存 / ミュオニウム / 同位体濃縮標的 / μ^--μ^+変換 / チタン-44 / タングステン-184 |
Research Abstract |
ミュオニウム・反ミュオニウム変換実験を行うために欠かすことのできない実験装置として、ミュオニウムを生成するためのミュオニウム生成ターゲットと、反ミュオニウムを検出するための検出器の2つが重要である。本研究では当初、検出器側にのみタングステン-184を使用する可能性を提案していたが、さらに詳細に検討をすすめる段階で、ミュオニウム生成ターゲット自身にもタングステン-184を用いる可能性が浮上してきた。これは東京大学理学部中間子実験施設で開発された手法であり、通常のタングステンをミュオニウム生成ターゲットとして使用することに成功している。従って、タングステン-184箔はミュオニウム生成と反ミュオニウム検出の二役をになうこととなる。実際には、タングステン-184をおよそ2cm間隔で層状に並べることによりミュオニウム生成効率まで含めた全体の検出効率の更なる改善が可能となると考えられる。本年度は、この新しい方法の検討開発に必要な機材を購入し、詳細なモンテカルロ・シミュレーションを含めた検討を開始したところである。 また本研究を進める中で、チタン-44を用いたμ^--μ^+変換過程の探索実験の検討も開始した。両者は共に同位体濃縮した特殊な標的を使用する実験と言う点で共通であり、またレプトン・フレーバーの保存則を破る過程の研究と言う点でも類似する。両方の研究を平行して進めることにより、相乗効果による研究の効率的な遂行を目指すことが可能であることが判明した。
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