2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
新井 宏二 国立天文台, 位置天文天体力学研究系, 助手 (50321584)
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Keywords | ファブリペロー共振器 / 共振器制御 / 信号分離 / 制御信号 |
Research Abstract |
本年度は主干渉計の光リサイクリング動作、副共振器の光学系の設計と設置、および副共振器における光モード不整合による性能悪化の評価を行った。 まず、主干渉計である国立天文台の重力波検出器においてリサイクリング干渉計に必要である4つの光路長自由度を制御することに成功した。この主干渉計の制御信号の取得においては高調波復調法を適用し、リサイクリング共振器の光路長変動が長基線共振器の光路長変動からなるべく分離されて取得できるようになっている。この手法と本研究における外部共振器による搬送波抑圧をあわせることで信号の分離度を飛躍的に向上させることが期待される。 副共振器については、反射鏡が納入されてからまだ間がないため、現段階では搬送波の共振には至ってはいない。現在、光学定盤上で試験用の光学系の設置を行っている。この試験光学系では空間モードの整っているNd : YAGレーザーの光でどれだけ搬送波抑圧できるかを評価する。現在までに、レーザーの設置と共振器の各鏡の配置を行った。副共振器の終端鏡は本研究にて購入したPZT素子アクチュエータに取り付けたのち、マウントに固定している。 期待される性能として、外部共振器によって得られる搬送波抑圧比が、モードの不整合によってどれくらい悪化するかを評価した。副共振器の鏡の反射率に不整合があると、共振器から搬送波が反射して抑圧比が悪化する。同様にモード不整合があると、共振器に反共振の搬送波が反射され、抑圧比が悪化する。これにより、モード不整合は共振器の搬送波反射率以下程度に抑える必要があることがわかった。試験光学系で用いているような空間モードの整っているレーザー光では、典型的には99%以上のモード整合を取ることが可能であり、この場合の搬送波の抑圧比は最良の場合で0.01と推定された。これは副共振器の搬送波反射率で決まる値よりも十分良いと思われるため、モード不整合が性能を制限しないようにできると結論付けられた。ただし、本研究では主干渉計の出力光を副共振器に入射するため、主干渉計の出力光のモード形状によってはよりモード整合が悪化する可能性がある。どれくらい出射光のモードがどのようになっているか明らかにすることが、今後の実験では重要であると認識された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Arai, the TAMA collaboration: "Sensing and controls for power-recycling of TAMA300"Classical and Quantum Gravity. (未定)(受理済み).
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[Publications] R.Takahashi, K.Arai, the TAMA collaboration: "Improvement of Vibration Isolation System for TAMA300"Classical and Quantum Gravity. (未定)(受理済み).