2001 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極角度分解光電子分光による1次元金属量子ナノ構造の研究
Project/Area Number |
13740192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
高橋 和敏 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30332183)
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Keywords | 角度分解光電子分光 / 量子ナノ構造 |
Research Abstract |
物質のナノメートルサイズの微細構造(量子ナノ構造)においては物質サイズが電子波や種々の素励起のコヒーレンス長と同程度もしくはそれ以下になっていることに起因して、バルク結晶とは異なる特徴的な物性が発現する。本研究課題においては将来の金属量子細線超格子の研究およびスピントランスファーの研究を念頭に置き、これまでに研究報告例が極めて少ない1次元金属量子ナノ構造を精度良く作成する方法を確立し、スピン偏極角度分解光電子分光法によりそのスピン・電子状態について調べることを目的として研究を行なった。本年度においては細線構造の作成手法を確立するため、GaAs(100)上にFeおよびCoの薄膜構造を成長速度や基板温度を変えることにより作成し、これらの試料についての低速電子線回折測定や高分解能での光電子分光測定の結果から作成条件の検討を行なった。その結果、室温下における成長の場合には試料表面にAsが多く析出してくるのに対し、100K程度の低温下で成長させることによりAsの析出を抑えて薄膜を成長できることがわかった。また、GaAs(100)上にCsと酸素を共吸着させて負の電子親和力を持つ表面(NEA表面)上にFe, Coを成長させた系についても高分解能光電子分光測定を行なった。その結果、数原子層成長した後にもNEA表面が保たれていることが見出され、今後、レーザーとの組み合わせ光電子実験などによりGaAs基板内の励起キャリアの薄膜への輸送に着目した測定することを計画している。
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