2001 Fiscal Year Annual Research Report
振動流中の非一様壁面付近の剥離泡剥脱過程のモデル化
Project/Area Number |
13740249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
渡邊 辰矢 茨城大学, 理学部, 助教授 (10302324)
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Keywords | 剥離渦 / 振動流 / 層流パターン / 縮約方程式 / 非圧縮性流体 / 非境界層近似効果 / 数理モデル化 |
Research Abstract |
剥離した渦構造をもつ流れは理工学の随所に現れるが、レイノルズ数がたかだか数百という中程度の層流でさえも十分理解できていない。本研究では比較的単純な振動流について少数自由度モデルを導くことを試み、渦が生じ剥脱する素過程についての基本的な疑問を理論的に調べている。具体的には、振動流中の底面の変形が比較的緩やかで、レイノルズ数も大きくない場合について、剥離泡の生成と離脱を定性的に記述できる単純な方程式をナビエストークス式の縮約式として導くことを目標としている。 本年度は初年度であり、まず振動流での剥雑渦生成と剥脱を完全なNavier-Stokes方程式に基づいて数値計算し、モデル化する際の比較対象となる「厳密解」を得ることを第一の目標とした。中程度のレイノルズ数の流れに対する数値計算はごく標準的であるが、分岐点や定性的な面だけでなく、渦の長さなども定量的に再現する必要がある。この点、既成のパッケージソフトウェアは不都合であることがわかっており、自作コードを得るよう努力したが、やはり定量的に満足できる一致はまだ得られておらず、定性的な再現のみにとどまっているので、来年度早い段階で、これを解決したい。 来年度はこれとともに、研究の核心であるモデル縮約の部分に移り、完全なナビエストークス方程式をあるクラスに限定した速度分布を仮定し、その下で平均化した簡易な式で、かつ観察される渦構造とその運動を表現できるものを得て、パラメタを変更したときの厳密解との比較を行いたい。
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