2001 Fiscal Year Annual Research Report
配向した分子クラスターの時間分解二次元イメージング分光
Project/Area Number |
13740250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峯本 紳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90323493)
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Keywords | 分子クラスター / 二次元イオンイメージング / 飛行時間型イオン分析器 / 配向制御 / 配列制御 |
Research Abstract |
本年度はまず、本研究の対象物である分子クラスターの検出と、その生成効率の最適化を行った。バッファガスの種類や混合比、分圧などを変えながら、飛行時間型(TOF)イオン分析器を用いてクラスターに由来する信号を調べた。クラスターのイオン化にはフェムト秒Ti : sapphireレーザー光(中心波長800nm)を用いた。その結果、二酸化炭素をバッファガスとして用いたときに、ヨウ素I_2との混合クラスター[I_2・CO_2]^+やその解離生成物[I・CO_2]^+を検出することに成功した。このとき、クラスターの信号強度はI_2分子イオンの約5%であった。さらに、二次元イメージング法によって[I・CO_2]^+の速度ベクトルを測定することにより、レーザー光の偏光方向に沿って解離が起こることを明らかにした。また、希ガスをバッファガスとして用いたときにも、クラスターの生成を示唆するイメージが得られた。一方、これらのクラスターに対してポンプ・プローブ分光を行うことを目的に、マイケルソン型干渉計を立ち上げた。このシステムを2倍波結晶および分光器と組み合わせることによって、周波数分解光ゲート(FROG)技術を確立し、レーザー光の特性評価を行った。その結果、今回使用したレーザー光はパルス幅47fsのほぼフーリエ限界の光であることを確認した。 一方、レーザー電場と静電場の組み合わせによる分子配列の可能性についても調べた。TOF装置の加速電場中にある試料分子にNd : YAGレーザー光を照射し、Ti : sapphireレーザー光によりイオン化した。得られたTOFスペクトルには、配列を示唆する非対称性が観測された。また、配列度を決めるパラメータ、すなわち、レーザー光の強度、静電場の強度、および分子の回転温度を変えることによって、配列の度合が大きく変化することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Vajda, A.Bartelt, E.-C.Kaposta, T.Leisner, C.Lupulescu, S.Minemoto, P.Rosendo, L.Woeste: "Feedback optimization of shaped femtosecond laser pulses for controlling the wavepacket dynamics and reactivity of mixed alkaline clusters"Chemical Physics. 267・1-3. 231-239 (2001)
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[Publications] C.Daniel, J.Full, L.Gonzales, C.Kaposta, M.Krenz, C.Lupulescu, J.Manz, S.Minemoto, M.Oppel, P.Rosendo, S.Vajda, L.Woeste: "Analysis and control of laser induced fragmentation processes in CpMn(CO)_3"Chemical Physics. 267・1-3. 247-260 (2001)
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[Publications] A.Bartelt, S.Minemoto, C.Lupulescu, S.Vajda, L.Woeste: "Control of wavepacket dynamics in mixed alkali metal clusters by optimally shaped fs pulses"European Physical Journal D. 16・1-3. 127-131 (2001)