2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13740257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
好村 滋行 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (90234715)
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Keywords | 弾性殻 / 曲げエネルギー / 伸長エネルギー / 挫屈 / ベシクル |
Research Abstract |
閉じた弾性殻においては二種類の弾性的効果が重要となる。一方の寄与は曲げエネルギーであり、E_b〜κ∫dAc^2で与えられる。ここで、κは曲げ剛性率、cは平均曲率、dAは面積要素である。他方の寄与は伸長エネルギーであり、E_s〜G∫dAe^2で与えられる。ここで、Gは二次元のヤング率、eは面内の歪みである。この球殻と平らな基盤の間でファン・デル・ワールス相互作用が働き、球殻が変形する状況を考える。ただし球殻の厚みをhとする。吸着エネルギーと弾性エネルギーがバランスするという条件から、球殻の変位が小さい場合と大きい場合の変位の表式はそれぞれH_<small>〜R^2u/G^<1/2>κ^<1/2>とH_<large>〜R^4u^2/G^<1/2>κ^<3/2>のようにスケールする。ただし、uは単位面積当たりのファン・デル・ワールスエネルギー、G〜C_<11>h、κ〜C_<11>a^2hでaはミクロなカットオフ長、C_<11>は二次元の伸長弾性定数である。さらにこの変形が外部圧力によってもたらさせる場合、変位が球殻の半径Rと同程度になるという条件によって球殻が破壊される臨界圧力を求めると、P_c〜G^<1/4>κ^<3/4>/R^<5/2>となる。本年度はこのスケーリング則を導いた。 さらに二次元の球殻(円環)のシミュレーションを行った。そこでは以前にライブラーらによって二次元のベシクルで用いられた手法を使った。このような円環を二枚の剛体板間に挟み、板間距離を徐々に小さくしていき、エネルギーが最小の状態に対応する円環の配置を共役勾配法によって求めた。その際、板間距離の関数として伸長エネルギーや曲げエネルギーがどのように振舞うかを解析した。さらに板間距離を小さくすることによって起こる円環の挫屈現象を調べた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kodama, S.Komura, K.Tamura: "Mean-Field Approach to Polymeric Microemulsions"Europhysics Letters. 53. 46-52 (2001)
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[Publications] S.Komura, S.A.Safrah: "Scaling Theory of Mixed Amphiphilic Monolayers"European Physical Journal. 5. 337-351 (2001)
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[Publications] U.S.Schwarz, S.A.Safrah, S.Komura: "Mechanical, Adhesive and Thermodynamic Properties of Hollow Nanoparticles"Material Research Society Symposium Proceedings. 651. T53.1-T53.6 (2001)
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[Publications] Y.Kawabata, M.Nagao, H.Seto, S.Komura, T.Takeda, D.Schwahn: "Neutron spin Echo Studies on the Effects of Temperature and Pressure in a Ternary Microemulsion"Applied Physics A. (発表予定).