2001 Fiscal Year Annual Research Report
プレート境界地震発生層の微細構造と微小地震の空間分布
Project/Area Number |
13740262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日野 亮太 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00241521)
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Keywords | プレート境界 / 地震波反射効率 |
Research Abstract |
プレート境界地震の地震活動に対応するプレート境界の地震波反射効率の空間的な変化に関する理解をさらに進めるため,平成13年度は東京大学海洋研究所研究船「白鳳丸」航海によるエアガン-海底地震計を用いた海底地震観測に参加し,地震探査データの取得を行った.観測はおおむね順調であり良好な探査データを得ることに成功した.現在データの処理を進めているが,本研究を着想した背景となった,平成8・9年度に行った地震探査データに見られるプレート境界からの反射波が明瞭に記録されている.一方で,三陸沖において平成8・9年度に実施した人工地震探査の解析を進めることにより,プレート境界での地震活動に対応するプレート境界の地震波反射効率の違いについての検討を進めた.解析対象となるデータセットをさらに増やして解析を行い,これまでに得ている反射効率の空間分布をサポートする結果が得られた. さらに,今年度実施した地震探査と同時に微小地震観測を行った.このデータも現在処理中であるが地震探査のために従来と比べてはるかに稠密なアレイによる観測を行ったため、特に深さ方向に高精度の震源決定が可能となるだろう.また,人工地震探査の走時データとあわせて3次元トモグラフィ解析を行うことにより,地震活動度の空間変化と上・下盤プレート内部の速度不均質構造との比較を進めていく予定である.地震波反射効率の空間パターンが示すように,プレート境界のごく近傍における地震波速度構造はそこでの地震活動と相関を持つが,それがプレート境界に局在した構造変化なのか、境界面の外側方向に広がりをもった構造変化なのかを明らかにすることは,地震学的構造と地震活動度が相関を持つ原因を考える上で有用な手がかりを与えるであろう.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hino, R: "Micro-tsunami from a local interplate earthquake detected by cabled offshore tsunami observation in northeastern Japan"Geophysical Research Letters. 28. 3533-3536 (2001)
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[Publications] Kasahara, J.: "Influence of water on earthquake generation along subduction zones"Bulletin of Earthquake Research Institute. 76. 291-303 (2001)