2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤尾 伸三 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (00242173)
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Keywords | 北太平洋 / 深層循環 / 伊豆小笠原海溝 |
Research Abstract |
2001年11月に東大海洋研淡青丸KT-01-16次航海において,2000年に伊豆小笠原海溝の東方に設置していた4系の係留系の回収作業を実施した.1系は回収できなったが,3系において流速の時系列を得ることができた. 一方,計画では2002年6月に伊豆小笠原海溝においてCTD観測を実施する予定であったが,残念ながら東大海洋研究所白鳳丸の航海日程の関係上,見送ることとなった. 回収した流速計の結果は,われわれの想定する循環とほぼ合致し,海溝東斜面に強い北上流があり,さらに東には西向きに海溝に合流するような深層流が存在する.現在,2000年の系設置に観測したCTDデータに基づいて地衡流量などの計算を進めている.また,3つの系はちょうど東西,南北に並べたので,それぞれの方向における流速変動の相関を計算した.流向から示唆されるようなラグでの変動はみられなかった. また,1996年〜1997年においてCTDと係留流速計により観測した北緯38度線の日本海溝の結果をまとめた(投稿準備中).38度の流量を30度,34度,およびOwens and Owens(2001)の42度の結果と比較すると,海溝西斜面の南下流はいずれも5Svであるが,東斜面の北上流は緯度による流量の違いが大きく,西の大洋底上との流入出の多さを示唆する. 北緯32〜38度にかけての東経146度のCTD観測や東経140〜156度にかけての北緯30度と34度のCTD観測を使ってインバース・モデルを用いて,海水や熱・塩分などを保存するように流量を計算すると,海溝付近で大きな値を持つ.ただし,現在は係留流速データをモデルにいれていないので,現在,その作業を進めている.
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Research Products
(1 results)