2001 Fiscal Year Annual Research Report
分光温度計を用いた中間圏界面付近の温度観測に関する研究
Project/Area Number |
13740285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
下舞 豊志 島根大学, 総合理工学部, 助手 (30325039)
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Keywords | 中間圏 / 中間圏界面 / 大気光 / 回転温度 / スペクトル / 大気波動 / 干渉フィルター |
Research Abstract |
名古屋大学太陽地球環境研究所によって京都大学信楽MU観測所に設置された分光温度計(SATI)は、中間圏界面付近の発光層であるOHおよびO_2の回転温度および発光強度の連続観測を行っている。ところが、推定されたOH回転温度が他の手段による大気温度観測値よりも低いことが以前から指摘されていた。 本年度は、推定温度の絶対値に無関係な変動成分のみを取り出し、大気温度にみられる波動成分の周期帯毎の季節変化について解析を行った。夜間の光学観測のために、観測時間は一日あたり数時間程度から最長12時間程度なので、波動解析に通常用いられるFFT解析法では12時間程度の周期成分の解析は困難である。そこで、欠測データを含む場合に有効と考えられるLomb-Scargle Periodgram法を適用することにより、波動成分の周期帯毎の季節変化について解析を行った。過去3年間の観測データを解析した結果から、周期5時間以上の成分、特に半日周期成分は冬に卓越するという結果が得られた。この研究成果については地球電磁気・地球惑星圏学会にて報告を行った。 また、SATIはOH(6-2)帯スペクトルのQ分岐を用いて回転温度を推定しているが、本年度はOH(7-3)帯スペクトルのR分岐を用いて回転温度を測定するための干渉フィルターの設計を行った。設計されたフィルターはSATIの改良型に搭載されており、本報告書執筆時点では実際の観測が行えていないために観測に基づいた検証が行えていないが、平成14年度には観測データに基づいて精度の検討が行えると期待される。
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