2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13740293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
瀬戸 浩二 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60252897)
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Keywords | 南極湖沼 / 完新世 / 底生有孔虫 / ラン藻堆積物 / 塩湖 / AMS^<14>C年代 / 隆起海成堆積物 / CNS元素分析 |
Research Abstract |
南極湖沼は,地埋的特徴,湖水の起源,流出口の有無などから,4つのタイプに分類した.これらの特徴は,湖水の塩分や堆積物の特徴に反映される.本研究において,粒度分析やCNS元素分析を行うことによって,定量的にそれらの関係を解明した.それらの基礎データをもとに,湖水面あるいは鞍部の標高が0〜45mの6つの湖沼について柱状試料の堆積物を分析し,古環境の変遷の解析を行った.湖水面の標高が低い3つの湖沼では,柱状試料の下部に海棲の貝あるいは有孔虫化石を含む海成堆積物が見られる.親指池やぬるめ池めような塩湖(Type4)では,貝化石を含む海成堆積物から黒色有機質泥に移り変わっている.淡水湖の丸湾大池(Type1)では,有孔虫を含む海成堆積物から黒色のラン藻質堆積物を経てコケを含む氷河性堆積物に移り変わっている.スカーレン大池(Type3)及び西ハムナ池(Type1)は,現在の堆積物と変わっていない.低塩分塩湖であるあけび池(Type3)は,最下位に氷河性堆積物がみられるが,含コケ泥質砂が厚く堆積している.ラン藻やコケなどの有機炭素及び貝化石を用いたAMS^<14>C年代(δ^<13>C補正のみ)をみると,回収率の悪い西ハムナ池を除いて2000年〜6000年前までが採泥されている.海洋から湖沼に移り変わる年代は,湖水面の標高が8m以下の湖沼でおよそ3500年前より新しい.それ以上の標高の湖沼では,3500年前を越える年代の堆積物は採泥されていない.あけび池における氷河性堆積物から含コケ泥質砂への移り変わりの年代は,およそ3200年前である.現在の地形から考えられる氷河の流路上には,4000年以前の貝を含む隆起海成堆積物が分布していることから,その時代にあけび池周辺に氷床が存在することは考えにくい.したがって,現在のような低塩分塩湖になるまでに,大きなハイエイタスがあるのかもしれない.
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Research Products
(1 results)