2001 Fiscal Year Annual Research Report
三次元割れ目解析-フラクチャーネットワークの時系列解析-
Project/Area Number |
13740296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Fukada Geological Institute |
Principal Investigator |
藤井 幸泰 財団法人深田地質研究所, 研究第一部, 研究員 (10311268)
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Keywords | 割れ目 / 節理 / 断層 / 写真測量 / 地質学 |
Research Abstract |
1.筑波花崗岩において露頭規模の割れ目解析を行った.花崗岩を用いたのは,粒子が均一で比較的homogeneousな岩石だからである.まずはじめに常陸北条の古い石切場で解析を行った. (1)全体的な割れ目系の把握(平面面積10000m^2程度の広さ)と詳細な解析を行う場所の決定(写真に写った面積25m^2程度) (2)立体写真の撮影と測量 (3)解析図化機MPS-2を用いて割れ目系を3次元的に把握する (4)露頭において割れ目の詳細な観察を行う(形態,空間的配列,ズレのセンス,伝播の方向など) (5)割れ目のコアサンプリング,薄片を鏡下で観察 (6)割れ目の時系列を総合的に判断<NS系節理の形成→EW系節理の形成→NS系・EW系節理の剪断とNE系節理の形成> 上記結果を2001年地質学会学術大会で発表した. 2.きのこ山の林道沿いの花崗岩で同様の解析を行う (1)〜(5)まで上記と同じように解析を行う. (4)の解析で一つの割れ目面上に複数の剪断が確認できた, (5)の解析でも形成時期の異なる充填物が重複してみられた. 従って割れ目は重複変形・破壊を被っており,時系列解析が困難であることが判明する. 3.花崗岩中には予想した以上の複雑な割れ目系が存在した.そこで花崗岩と同じ珪長質岩石である砂岩を対象に解析を行った.花崗岩と異なるのは「層理面」という初生構造をもつことである. (1)〜(4)那珂湊砂岩を対象にして上記と同様の解析を行った.一見すると複雑な割れ目系であるが,(3)と(4)の解析から断層と節理を分離することができた.これに層理面を加えて, (6)<断層の形成および層理面の剪断→層理面・断層面が境界条件になり,2方向の節理が形成>という時系列が明らかになった. 14年度は砂岩の割れ目解析を続け,筑波花崗岩にフィードバックさせる予定である.
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