2001 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界領域の気液曲線延長線付近における分子立体配座および2量体の構造
Project/Area Number |
13740321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 健一 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80302579)
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Keywords | 超臨界流体 / ラマン分光 / 局所構造 / 構造異性体 |
Research Abstract |
耐圧350気圧,耐温400℃のラマン分光測定専用の高温・高圧セルの設計・および製作を行った。セル全体の寸法は10*7*5cmで非常にコンパクトである。セルは,迷光の抑制およびアライメントを容易に行うために4つ窓がついている。窓は偏光解消が少なく,かつ蛍光フリーのサファイア単結晶である。また,散乱光取り出し窓は,テーパー付き大口径のデザインでありF値1.67となり,高効率集光が可能となった。温度は,200Wのカートリッジヒーターを4本,温度制御はPID方式のコントローラーを用い,±0.1%程度の範囲内で温度を安定化させることができた。高圧用シール材は,銀メッキしたメタルC-リングを用い,高温でのサンプルのリークを抑えることができた。 上述した大口径窓のF値を有効にできるように,短焦点距離・最小F値のカメラレンズを用い明るい光学系を設計・製作した。入射光はサンプルセルの下側から入射し,その結果散乱光は縦スリットの分光器に高効率に入れることができた。分光器の回折格子は,グループ1800本の高分解能であり,その結果装置全体のエネルギー分解能は,0.5cm^<-1>となった。 次年度は,本装置を用いて有機分子の異性体の構造変化と密度依存性の相関を調べてゆく。特に分子周辺の局所構造が気体的・液体的に変化する気液共存曲線の延長線付近において,この構造変化が,異性体の変化とどのように関わっているのかを明らかにする。この内容は,異性体の構造変化におけるポテンシャルの障壁が,密度とともにどのように変化してくるか,を振動スペクトルの線形・および相対強度比から調べることに相当する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakayama, Saitow, Nishikawa et al.: "Raman spectral changes of neat CO_<2> across the ridge of density fluctuation in supercritical region"Chem. Phys. Lett.. 320. 323-327 (2000)
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[Publications] Saitow, Nishikawa et al.: "Correlation time of density fluctuation for Supercritical Etylene Studied by dinamic light scattering"J. Chem. Phys.. 116. 4985-4992 (2002)
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[Publications] Saitow, Nishikawa et al.: "Terahertz absorption spectra of supercritical CHF_<3> to investigate local structure through Rotational Motion"Chem. Phys. Lett.. 341. 86-92 (2001)