2001 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒存在下における電子欠乏性の不飽和炭化水素化合物の新反応
Project/Area Number |
13740346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
齋藤 慎一 理化学研究所, 有機金属化学研究室, 基礎科学特別研究員 (80283076)
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Keywords | 不飽和炭化水素 / 遷移金属触媒 / 炭素-炭素結合形成反応 / 環境調和型反応 |
Research Abstract |
本研究においては遷移金属触媒下でのジエン、アルキン、ジインをはじめとする様々な不飽和炭化水素類の反応に関して、反応基質、および触媒に関して種々の検討を行うことにより、不飽和炭化水素の新たな炭素-炭素結合形成反応を見出すことを目的とした。具体的には、「電子吸引基を導入した不飽和炭化水素は遷移金属触媒を用いる炭素-炭素結合形成反応において反応性が変化し、新規反応がおこる」という作業仮説に基づき、様々な不飽和炭化水素に電子吸引基を導入し、その反応性について検討した。 まず、共役ジエン、アレン等に電子求引基を導入した化合物を合成し、ニッケルやパラジウムをはじめとする種々の遷移金属触媒の存在下を用いてそれらの化合物の反応性について検討した。さらに、新規分子内反応が起こる可能性に着目し、分子内にアルキニル基またはアレニル基と電子欠乏性のアレニル基を持った化合物を各種合成した。さらにこうした原料を用いてパラジウムやニッケルをはじめとする触媒存在下での反応について検討を開始しつつある、現時点ではいくつかの基質の反応の際に3量化反応やポリマー化反応をおこすことを見いだした。現在反応条件等に関して詳細に検討を行い、穏和な反応条件や高活性な触媒の探索を行っている。また、反応機構に関しても検討を加えつつある。さらに、生理活性物質や機能性分子の創製を視野に入れつつ、反応の一般性等に関しても検討を加え始めている。
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