2001 Fiscal Year Annual Research Report
光合成酸素発生中心の機能モデル:Mn_4O_4立方体錯体からの光化学的酸素発生機構
Project/Area Number |
13740377
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
八木 政行 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (00282971)
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Keywords | 光合成 / 水の酸化 / 酸素発生 / マンガン錯体 / 光化学II |
Research Abstract |
光合成酸素発生錯体(OEC)の構造はMn_4O_xC_<al>C_<ly>の組成であることが知られているが、その構造およぴ水からの酸素発生機構は充分に明らかにされていない。我々はOECの構造モデル錯体として,Mn_4O_4を有する四核マンガン錯体L_6Mn_4O_4(L=diphenylphosphinate)の合成に成功した。OEC機能のモデル反応を確立するために,L_6Mn_4O_4錯体の構造と反応特異性について研究した。 L_6Mn_4O_4錯体のO→Mnの電荷移動吸収帯を紫外光励起することにより、Mn_4O_4核から選択的に酸素分子(0_2)とデオキシ錯体L_5Mn_40_2が生成することを見出した。これは四核マンガン錯体でOECを機能的にモデル化した最初の例であり、OECでの酸素発生機構の解明に重要な示唆を与える結果である。 Mn_40_4立方体構造が光化学的酸素発生に特異的な幾何構造であるかどうかを明らかにするために,対照化合物としてMn(μ-0)_2Mn, Mn(μ-O)MnおよびMn(μ-O)_2Mn(μ-O)_2Mnの核構造を有する二核および三核マンガン錯体を合成し,同様の光酸素発生実験を行った。いずれの対照化合物の場合でも酸素は全く検出されず,Mn_40_4立方体構造のみから0_2が発生することが示された。対照化合物であるマンガン錯体は紫外光照射により(0_2を発生せずに)非選択的に分解することを明らかにし、L_6Mn_40_4錯体が光化学的酸素発生に対して特異的な構造であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)