2001 Fiscal Year Annual Research Report
異種金属ポルフィリンをペプチド鎖中に集積させた光反応系の構築と光化学的挙動
Project/Area Number |
13740383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牛山 正人 東京理科大学, 理学部, 助手 (70318195)
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Keywords | ポリフィリン / ペプチド / 集積体 / 光化学 / 蛍光スペクトル / 励起寿命 |
Research Abstract |
異種・複数の金属ポリフィリンを組み合わせてペプチド鎖中に集積し得る系として構築した亜鉛-鉄ポリフィリン集積系は,これまでの研究により3つの亜鉛ポリフィリンと9つの鉄ポリフィリンを含む12ポリフィリン集積系であることが明らかになっている。今年度の研究では主にこの系の光反応および電子伝達系としての諸性質・可能性を明らかにすることを目的として,光化学的挙動と集積状態に関する検討を進めた。 光化学的挙動については、亜鉛ポリフィリン(ドナー)に対する鉄ポリフィリン(アクセプター)の当量数を変えながら,蛍光スペクトルおよび励起寿命を調べた。蛍光スペクトル測定から,亜鉛ポリフィリンの蛍光収率は鉄ポリフィリンの数が増えるにつれて大きく減少することが示された。一方,亜鉛ポリフィリンの励起寿命は鉄ポリフィリンの数に依らずほぼ一定であった。したがって,本集積系の消光過程は動的なものではなく局所的な静的なものであり,効率のよい電子移動反応が起きていることが明らかとなった。また,電子移動反応に伴う鉄ポリフィリンの還元反応を光照射下の吸収スペクトル測定により調べるため,多波長検出分光装置の設計,製作を行った。数十ミリ秒程度の時間分解能を予定しており,調整が完了次第,反応性の検討を行う。 集積状態に関する検討として,集積状態での亜鉛ポリフィリンおよび鉄ポリフィリンの酸化還元電位の測定を試みた。しかしながら,吸収スペクトルを用いた酸化還元滴定法,修飾電極を用いたサイクリックボルタンメトリー法ともに測定困難であった。現在光透過電極を使った測定を進めている。また,鉄ポリフィリンの当量数を変えて磁気円偏光測定を行った。ポリフィリンの配位環境,ポリフィリン間の相互作用について解析中である。
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