時間分解全反射蛍光法による液/液界面の微視的構造に関する研究:界面電位依存性

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13740416
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80311520)
• Keywords: 液 / 液界面 / 全反射蛍光法 / 動的蛍光異方性 / 励起エネルギー移動

Research Abstract

時間分解全反射蛍光法を用い、界面吸着した蛍光プローブ分子の回転自由度を測定することにより、プローブ分子の周りの局所的な溶媒構造(〜10Å)、つまり界面の厚さに関する情報を得ることが出来る。また、界面吸着分子間での励起エネルギー移動消光ダイナミクスの解析からは、比較的広範囲(〜70Å)での、油/水界面の空間的な乱れを評価することが可能である。これら二つの実験的手法を用いることにより、水/四塩化炭素界面は分子レベルでシャープな界面(<10Å)が、比較的広範囲(〜70Å)に平らな界面を形成していることが分かった。一方、水/ジクロロエタン界面は、厚さ〜10Åの界面が70Åの空間範囲において揺らいでいる事が分かった。また同様の測定を、水/シクロヘキサン、水/四塩化炭素、水/トルエン、水/クロロベンゼン、水/ジクロロベンゼン、水/ジクロエタンの六種類の油/水界面に適応し、界面の微視的構造に関する系統的な比較検討を行った。分子回転自由度、励起エネルギー移動次元ともに、界面張力(界面自由エネルギー)及び、溶媒間の溶解度との間に相関があることを見出した。このことは、油/水界面の微視的構造が、水分子と油分子の親和性に依存することを示している。このような時間分解全反射蛍光法を駆使した系統的な研究を行うことにより、これまで分子動力学計算によってのみ予想されてきた液/液界面の分子レベルでの構造、及び、界面の微視的構造に影響を与える因子に関して、始めて実験的な検証を示すことが出来た。

Research Products

• [Publications] Shoji Ishizaka: "Time-Resolved Total Internal Reflection Fluorometry Study on Polarity at Liquid/Liquid Interface"Analytical Chemistry. 73(11). 2421-2428 (2001)
• [Publications] Shoji Ishizaka: "Time-Resolved Total Internal Reflection Fluorometry Study on Chemical and Structural Characteristics at Water/Oil Interfaces"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 74(11). 1983-1998 (2001)