2001 Fiscal Year Annual Research Report
二相界面を利用する分離・分析法における機能性大環状配位子のイオン選択機構
Project/Area Number |
13740418
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
勝田 正一 千葉大学, 理学部, 助手 (40277273)
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Keywords | クラウンエーテル / アルカリ金属イオン / 溶媒抽出 / 錯生成定数 / 置換基効果 / 溶媒間移行 |
Research Abstract |
1.アルカリ金属イオンに対して高い選択性を有することで知られる16-クラウン-5の誘導体である15,15-ジメチル-16-クラウン-5(L)を合成し,それによるNa^<+>,K^<+>,Ag^<+>,Sr^<2+>,Ba^<2+>,Pb^<2+>(全てピクリン酸塩;MA_<m>)のベンゼン/水間抽出平衡を詳しく研究した。全抽出平衡のみならず,その成分平衡を解析し,抽出選択性が主としてイオン対抽出過程(ML^<m+>+mA^<->=MLA_<m,org>)に支配されていることを明らかにした。さらに,先に報告した16-クラウン-5および投げ縄型16-クラウン-5(15-(2,5-ジオキサヘキシル)-15-メチル-16-クラウン-5)の結果と比較した結果,これら3つの16-クラウン-5類の中で,15,15-ジメチル-16-クラウン-5は抽出能において最も低いが抽出選択能では最も優れていることがわかった。また,抽出能および抽出選択能に及ぼす置換基の効果を素平衡に基づいて定量的に解明した。 2.従来水中での錯生成反応の研究が困難であったジベンゾ-24-クラウン-8について,キャピラリー電気泳動法を利用して,水中でのアルカリ金属イオン(Na^<+>,K^<+>,Rb^<+>,Cs^<+>)との1:1錯体の生成定数を精密に測定することに成功した。さらに,得られたデータと文献値を用いて,錯体の水-非水溶媒間移行活量係数を算出した。ジベンゾ-18-クラウン-6についても同様の測定を行い,これらの結果を比較することによって,ジベンゾ-24-クラウン-8-アルカリ金属イオン錯体の水中における安定性と溶媒和の特徴を評価した。
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Research Products
(1 results)