2001 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるペルオキシソーム及びペルオキシソームタンパク質の新奇な機能の探索
Project/Area Number |
13740454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 朗 新潟大学, 理学部, 助教授 (70303112)
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Keywords | ペルオキシソーム / シロイヌナズナ / 形質転換植物 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのMP27変現変異体および欠損変異体の作製 AtMP27のセンスおよびアンチセンスcDNAを導入した形質転換シロイヌナズナを作製し、この中からAtMP27タンパク質の蓄積量が野生型と比べて増大した株(過剰発現株)と減少した株(発現抑制株)をそれぞれ複数選抜することに成功した。現在形質転換第3世代について、その表現型を野生型と比較している。予備的な解析の結果、発現抑制株では成長の促進、老化の進行の遅延が見られるのに対し、過剰発現株では発芽後の成長が抑制されるというきわめて特異な表現型が明らかになっており、現在慎重に解析を進めている。 これと平行して、かずさDNA研究所から提供されたシロイヌナズナT-DNAタギングラインのPCRスクリーニングを行った。現在1次スクリーニングを終了し、サザンブロットによる確認作業を行っている。 輸送シグナルを指標とした新奇ペルオキシソームタンパク質の単離 輸送シグナルを指標としたシロイヌナズナデータベースの検索から、C末端にPTS1輸送シグナルを有するプロテアーゼ、AtLon1を新に見いだした。AtLon1は大腸菌および酵母ミトコンドリアで確認されているLonプロテアーゼと類似の一次構造を示した。特異抗体およびGFP融合タンパク質を用いた実験から、AtLon1がペルオキシソームに局在することを確認し、さらにリコンビナントタンパク質を用いた実験から、AtLon1はATP依存的プロテアーゼであることを明らかにした。植物のペルオキシソームに局在するプロテアーゼを見いだしたのはこれが初めてである。現在、このプロテーゼの遺伝子発現パターンについて解析を進めている。
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