2002 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの維管束パターン形成に関わる遺伝子の解析
Project/Area Number |
13740455
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
槻木 竜二 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50303805)
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Keywords | シロイヌナズナ / 維管束 / 突然変異体 / オーキシン |
Research Abstract |
1.維管束でGFPが発現するシロイヌナズナのエンハンサートラップ系統用いた維管束パターン異常突然変異体のスクリーニング 維管束特異的エンハンサートラップ系統(C24バックグラウンド)の種子をEMS処理して得たM2種子を人工土壌上等で発芽生育させ、実体蛍光顕微鏡下で子葉、本葉、根におけるGFPの発現パターン(=維管束系)を観察し、維管束のパターンに異常の認められる突然変異体の単離を進めている。これまでに、本葉の維管束系に関して、1次維管束はできるが、2次、3次維管束の形成が抑制されている突然変異体を3系統、著しい場合には1次維管束すら形成されない突然変異体を1系統(4-47突然変異体)、維管束が部分的に太くなるなどの異常が見られる突然変異体を2系統単離している。また、維管束系に異常があり、フィラメント状の本葉が観察されることもある突然変異体も単離された。4-47突然変異体に関しては、Columbia株とLandsberg erecta株各々とのF2種子を得ており、現在、原因遺伝子のポジショナルクローニングの準備を進めている。 2.葉の発生に伴うオーキシン分布パターンの解析 オーキシンが局在しているとレポーター遺伝子が発現するマーカー系統を用いて、葉の発生に伴うオーキシンの分布パターンを解析した。レポーター遺伝子は、維管束系のパターンに沿うかたちで、維管束系が発達するよりもずっと前に発現し、木部のリグニン化が進みすでに維管束の発達が進んでいるところでは発現が消失することが明らかになった。このことは、オーキシンの分布パターンが葉の発生に伴ってダイナミックに変化していることを示し、オーキシンの局在化が維管束形成、ひいては葉の発生に重要であることを支持した。
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