2002 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換イネ、及びマメ科植物を用いたシンク器官における炭素代謝系酵素の機能解析
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13740460
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
東江 美加 (野村 美加) 香川大学, 農学部, 助手 (50294749)
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Keywords | PEPC / ミヤコグサ / 形質転換体 / 根粒 / アグロバクテリウム / マメ科植物 / 根粒菌 |
Research Abstract |
PEPC(ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ)酵素はホスホエノールピルビン酸からオキザロ酢酸を触媒する酵素であり、トウモロコシなどのC4植物ではC4光合成回路の一つの酵素として知られている。しかしこの酵素をコードする遺伝子は、マメ科植物の根粒にも存在することが最近の研究により明らかとなっている。そこで、申請者は根粒におけるPEPC酵素の生理学的意義を調べることを目的とした。 実験材料はマメ科植物ミヤコグサを用いた。まず、根粒菌感染後20日目の葉、茎、根、根粒からRNAを調製後PEPC遺伝子の発現量を調べた。その結果、根粒のPEPC遺伝子は、葉、茎、根に比べ約10倍以上の高い発現を示した。次に各器官におけるPEPC活性を測定した結果、葉のPEPC活性(0.002μmol/min/mg protein)と比較して茎では約28倍(0.058μmol/min/mg protein)高い活性を示し、根では約25倍(0.053μmol/min/mg protein)高い活性を示し、根粒では約143倍(0.294μmol/min/mg protein)高いPEPC活性を示した。根粒のPEPC活性はC4植物トウモロコシ緑葉の約50%(0.5μmol/min/mg protein)の活性を示しており、活性レベルでも根粒で強い発現を示すことが明らかとなった。次にミヤコグサ根粒におけるPEPC酵素の機能解析を目的としてミヤコグサ根粒のPEPC酵素を過剰発現させた形質転換体および発現を抑制させた形質転換体を作製するためのコンストラクトを作製した。コンストラクトはカリフラワー35Sプロモーター下流にミヤコグサPEPCcDNAをセンス、アンチセンスにつなぎ、アグロバクテリウムを介しミヤコグサ胚盤由来カルスから適宜培地を変更し形質転換体の作製を行った。再分化した個体は鉢上げ後、植物緑葉からゲノムDNAを調製しPCRを行い、遺伝子導入の確認を行った。その結果センス、アンチセンスPEPC形質転換体共に約20個体を作製することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sinsuwongwat, S., Kodera, A., Kaneko, T., Tabata, S., Nomura, M., Tajima, S: "Cloning and characterization of a NADP+-malic enzyme gene from Bradyrhizobium japonicum USDA110"Soil Science and Plant Nutr.. 48,5. 711-717 (2002)
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[Publications] Sinsuwongwat, S., Nuntagij, A., Shutsrirung, A., Nomura, M., Tajima, S.: "Characterization of local Rhizobia in Thailand and the distribution of malic enzyme"Soil Science and Plant Nutr. 48,5. 719-727 (2002)