2001 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ神経細胞培養系を用いた再構築概日系の確立
Project/Area Number |
13740480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 顕 九州大学, 大学教育研究センター, 助手 (40229539)
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Keywords | ショウジョウバエ / サーカディアン / 細胞培養 |
Research Abstract |
本研究では、まず、ショウジョウバエ幼虫および成虫の神経系由来の細胞を経代的に培養することをめざした。Uiらによって確立された、約10株の経代培養を試みたが、ほとんどの細胞株は形質を保ったままで培養し続けることは困難であった。幼虫中枢神経系由来のBG2C2と成虫中枢神経系由来のBG3C2の2株の経代培養に成功した。細胞の増殖の倍化時間は、どちらも約1日であった。一旦細胞が順応すると、通常用いられるSchneider培地に血清とinsulinを加えたものよりも、無血清培地であるHyclone-CCM3(Hyclone社)にinsulinを加えた培地で培養した方が生育が良かったため、以降の実験では後者を使用した。この他に、ショウジョウバエの代表的培養細胞のKc株にecdysoneを添加し、神経様細胞への分化誘導を試みた。1mg/mlで20-hydroxy ecdysoneを加えると、形態的には神経様の細胞に変化するものが多くなるが、その後、大きな細胞塊を作って接着性を失い、経代培養は出来なかった。Kcにおける神経様細胞への分化誘導は次年度のテーマとして持ち越すこととした。次に、BG2C2とBG3C2に対する、遺伝子導入の条件検討を行った。GFP vectorを指標として、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、αhelixを持つペプチドによるtransformation法などを試し、もっとも安定した結果をリポフェクション法で得た。中でも、QuiqgenのSuperfect試薬を用いた時が最も効率的であった。次に、高濃度血清添加や温度変化によってこれらの細胞に概日リズムを誘発可能かどうかを調べたが、今の所肯定的な結果は出ていない。来年度は、hs-clk/per-lucで培養細胞を形質添加し、人為的に概日リズムを再構築できるかどうかを調べる予定である。
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