2001 Fiscal Year Annual Research Report
点接触伝導を用いたスピン編極電子注入による微小磁性体の磁化過程制御
Project/Area Number |
13750016
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
能崎 幸雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30304760)
|
Keywords | 巨大磁気抵抗効果 / 磁性薄膜 / スピン依存型電子散乱 / スピンデバイス / スピントランスファー / 点接触伝導 |
Research Abstract |
ピエゾアクチュエータを用いて金属探針を磁性多層膜表面に点接触させることによる磁気抵抗(MR)測定法を確立したと共に、スピン偏極電子注入による微小磁性体の磁化反転に関して以下の成果を得た。 1)点接触による電流注入源として用いるPt-Irワイヤ(直径O.2mm>に対し、CaCl_2水溶液を用いた電解研磨を行うことにより先鋭化を行った。作製したPt-Ir探針を走査型電子顕微鏡観察した結果、最高で0.6μm程度の先端半径が得られる電解研磨条件がわかった。 2)高精度XYステージ、Z方向の探針駆動用ピエゾアクチュエータ、および小型電磁石(0.8kOe)を組み合わせた点接触MR測定装置を作製した。次に、表面酸化の少ないAu電極にPt-Ir探針を接触させ、探針-電極間に直流電圧を印加しながら接合部の電気抵抗の探針駆動距離依存性を調べた。その結果、0.1μm×0.1μm以下のコンタクト面積でオーミック接触が実現できることがわかった。 3)マグネトロンスパッタ装置、電子線描画装置およびArイオンミリング装置を用いてAu電極上に直径1μmのCo/Cu多層膜ドットを作製した。これについて点接触MR測定を行ったが、測定感度範囲ではMR変化が検出されなかった。これは、測定された抵抗に探針自体の電気抵抗も含まれていたため、多層膜ドット部における微小MR変化が測定できなかったものと考えられる。そこでドット部のMR変化を検出可能とするため、多層膜ドットの上下面に電圧測定端子を設けた新しい素子を作製し、検討を進めている。 4)探針先端に電子ビーム蒸着装置を用いて[Co(2nm)/Cu(2nm)]_5を成膜し、それをAu電極に点接触させたのちMR測定を行った。その結果、室温で60%程度のMR変化が測定され、探針先端の多層膜に対しても膜面垂直電流路が実現できることが分かった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] K.Matsuyama et al.: "MR measurement of sub-micron relief structures fabricated in GMR material"IEEE Transactions on Magnetics. 37・4. 2114-2116 (2001)
-
[Publications] K.Matsuo et al.: "Sub-micron GMR sensor with vertically integrated hard magentic biasing applicable for high temperature"IEEE Transactions on Magnetics. 37・4. 2001-2003 (2001)
-
[Publications] Y.Nozaki et al.: "Sub-micron scale relief structures of GMR materials fabricated by half-milling control"Journal of Magnetism and Magnetic Matterials. 239・1-3. 237-239 (2002)
-
[Publications] Y.Nozaki et al.: "Spin dependent CPP transport properties of semiconductive-oxide/ferromagnet multilayers"Journal of Magnetism and Magnetic Matterials. 239・1-3. 157-159 (2002)