2001 Fiscal Year Annual Research Report
各種銀化合物(AgX,X=I,S,Se,Te)超微粒子の作製とその構造および物性
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13750021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
田村 早苗 山口東京理科大学, 基礎工学部・素材基礎工学科, 助手 (90277286)
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Keywords | 超微粒子 / 逆相ミセル法 / ヨウ化銀 / 硫化銀 / セレン化銀 / テルル化銀 / 中性子小角散乱 |
Research Abstract |
AgI超微粒子ミセル溶液のUV測定を行った。w(=[界面活性剤]/[H_2O])の増加とともにミセルサイズが大きくなることから、超微粒子に起因するピーク形状の変化が予想されたが、wとの間に相関が認められなかった。実験に使用した溶媒及び界面活性剤に含まれる水分量を測定したところ無視できない量の水分が含まれており、ミセル調製時に添加する水の量でwを制御できていないことが判明した。溶媒中の水分は脱水処理が可能であったが、吸水性の強い界面活性剤から水分を除去することは困難だった。今後、ミセル調製後に水分量を測定して正確なwを決定することが必要である。 超微粒子のXRD測定を行った。遮光して測定したにもかかわらずAg_2Oが検出された。測定後の試料は黒化しており、X線によりAgIが一部分解し、酸化物が生成したと考えられた。このような現象は市販のAgI粉末では観察されず、超微粒子は表面積が大きいためX線に対してsensitiveになっていると考えられた。試料へのダメージがXRDより小さい中性子線回折では、酸化物に対する感度が高いにもかかわらずAg_2Oは検出されず、AgI超微粒子の結晶構造解析には中性子線回折のほうが適していることがわかった。リードベルト解析の結果、w=16ではβ相が25%、γ相が75%であり、室温では超イオン導電相(α相)は観察されなかった。 w=8の超微粒子ミセル溶液の中性子線小角散乱を行った。室温ではミセル半径18.6Å、shell厚さ9.5Åとなり、理論式から計算されるミセル半径(18.9A)とよい一致を示した。また温度の上昇によりミセル半径及びshell厚さは減少することがわかった。なお、室温において溶媒及びwを変化させた場合の測定も行い、現在データを解析中である(同一バッチでTEM観察用試料を調製し、溶媒の違い及びwの値と粒子径分布の関係も現在解析中である)。
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