2002 Fiscal Year Annual Research Report
透過電子顕微鏡ホルダーに組み込める原子間力顕微鏡の開発と量子細線への応用
Project/Area Number |
13750031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大門 秀朗 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助手 (20324816)
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Keywords | 透過電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 量子細線 |
Research Abstract |
透過電子顕微鏡に組み込める原子間力顕微鏡(AFM)ホルダーの設計を根本から変更することにした。旧式では、カンチレバーを試料ホルダーに対して垂直になるようにしていたが、そのためにはカンチレバー背面のガラスを切断しなければならず、歩留まりが大きくなってしまう。そこで、カンチレバーを試料と水平にしてガラスを切断しなくても組み込めるようにした。それに伴い、試料移動用のナノモーターの取り付け位置も変更した。このホルダーは現在も設計・検討を繰り返しており、出来るだけ早期に組み上げたいと考えている。 一方、電子顕微鏡には、テレビカメラが取り付けられた。したがって、ホルダーが完成したときには、蛍光版の上げ下げによる機械的な振動が入る写真ではなく、蛍光版を上げたままで振動が入らないテレビカメラを用いて、リアルタイムに観察できる条件がそろった。制御用パソコンで画像取り込みボードでの取り込みを行ったところ、民生用のボードのため画像の取り込みに1〜2秒間のタイムラグが発生することがわかった。そこで、業務用のタイムラグの無いボードを再度購入し、それを用いての制御プログラム作成を行っている。 AFMのコントローラーについては、高さ方向の信号を一定にするフィードバック回路を自作した。今回用いるカンチレバーは先端が導電性のため走査トンネル顕微鏡の探針としても用いることが出来る。AFMホルダーが完成次第、まずは大気中でSTMとして動作確認を行い、今回のホルダーの動作テストを行う予定である。 総括として、2年間の研究期間はほとんど設計と予備的な動作確認に費やしてしまい、装置を組み上げてデーターを得るところまでには至らなかったが、材料はそろっているので早急に装置を完成させて有意義なデーターを得たいと考えている。
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