2001 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡による酸化膜/シリコン界面のトラップ電荷の高分解能観察に関する研究
Project/Area Number |
13750034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
内橋 貴之 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30326300)
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / シリコン酸化膜 / シリコン / トラップ電荷 / 高分解能観察 / 高感度容量検出 / 周波数復調 / Si(111)7x7 / 原子分解能観察 |
Research Abstract |
本研究では、超高真空で動作する非接触型原子間力顕微鏡を用いた新しい容量顕微鏡の開発とそれを用いた酸化膜/シリコン界面のトラップ電荷を高分解に観察することを目的としている。 平成13年度は、接触型原子間力顕微鏡を周波数変調方式の非接触型原子間力顕微鏡測定が可能なように、カンチレバーを共振周波数で発振させるためのAGC回路と、周波数偏移検出のための周波L数復調回路を作製し、超高真空システムの立ち上げを行った。試料としてSi(111)7x7再構成表面を用いて開発した装置の評価を行った結果、原子分解能を有している事が確認できた。また、探針の清浄化条件及び測定パラメータ(カンチレバーの振動振幅、探針-試料間距離等)などの実験条件を最'適化することにより、安定な原子分解能測定が可能になった。これにより装置の分解能と安定性について目標を達成できた。 本研究費で購入したRF帯周波数復調回路を用いた容量検出の予備実験を行った結果、帯域1kHzで1.6×10^<-20>F/√Hz、帯域1Hzで3×10^<-23>F/√Hzの検出感度を有していることが分かった。次に、大気中で動作する原子間力顕微鏡によりシリコンp-n接合を測定した結果、不純物濃度の分布が観察できることが確認できた。また、探針から酸化膜/シリコンへ注入されたトラップ電荷を観察することが出来、素電荷70個程度の注入電荷が観察出来ることが分かった。 現在、容量センサーの超高真空装置への組み込みを行い、センサー加熱ガス出しが可能であること、超高真空環境で正常に動作することが確認できたところである。今後、Si(111)表面で高分解能な表面形状と容量の同時測定を推進していく。
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