2001 Fiscal Year Annual Research Report
2重ランダム偏光変調暗号化法とそのセキュリティー光メモリへの応用
Project/Area Number |
13750039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
的場 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20282593)
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Keywords | セキュリティー / ホログラフィックメモリ / 光暗号化・複合 / ベクトル位相共役 / 偏光 |
Research Abstract |
本研究では、2重ランダム偏光変調暗号化法を提案し、それを用いてデータ保護機能をもつセキュリティーホログラフィックメモリシステムの開発を試みる。本年度は、2重ランダム偏光変調暗号化法の提案、数値計算による安全性の評価、そして原理確認実験を行った。2重ランダム偏光変調暗号化法では、入力情報を光の偏光情報に変換して、暗号化を行う。元の2次元デジタル信号は、2つの直交する直線偏光として表示される。この入力偏光分布は、入力面、フーリエ面に置かれた2枚のランダム偏光変調マスクによりランダム偏光化される。ランダム偏光変調マスクとして、液晶空間光変調器等の制御可能な複屈折素子を用いる。この暗号化では、複屈折素子の各画素において主軸方向と位相差の2つのパラメータを持つため、従来の位相のみを用いた光暗号化方法よりも変調パラメータの全数が多くなり計算量的安全性が増す。復号時には、ベクトル位相共役波を用いることにより、暗号化時と同じマスクを復号鍵として使用することができる。再生された信号は、偏光板により強度信号として読み出される。 はじめに、2重ランダム偏光変調暗号化法の安全性の評価として、デジタル画像に対するビットエラーレートを定量的に評価した。その結果、2枚のランダム偏光変調マスクを用いた場合に暗号化された信号のビットエラーレートは約0.5になり、白色雑音化されることがわかった。 原理確認実験では、2つの液晶空間光変調器を用いて、入力偏光状態をランダム偏光状態に変換し、それをバクテリオロドプシンに記録した。バクテリオロドプシンは、光異性化により偏光情報を記録することができるため、ベクトル位相共役波の発生が可能である。2枚の2値画像を用いて、暗号化と復号を行い、良好に再生されることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] X.Tan, et al.: "Secure optical memory system with polarization encryption"Applied Optics. 40・14. 2310-2315 (2001)
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[Publications] O.Matoba, et al.: "Data security in holographic memory using double random polarization encryption"OSA TOPS Vol.62 Photorefractive Effects, Materials, and Devices. 62. 131-136 (2001)
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[Publications] O.Matoba, et al.: "Double random polarization encryption for data security"2001 IEEE/LEOS Annual Meeting Conference Proceedings. 552-553 (2001)