2001 Fiscal Year Annual Research Report
FROG法によるフェムト秒レーザー高次高調波の位相計測
Project/Area Number |
13750041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関川 太郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (90282607)
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Keywords | 高次高調波 / 位相 / FROG |
Research Abstract |
今年度の計画は、高次高調波を、FROG法により計測するための装置の立ち上げと予備実験であった。本年度は、チタンサファイアレーザーの5次高調波パルスに着目し、FROG法による計測のための装置の立ち上げを行い、予定より早く、更に実際に計測を行うところまで達した。5次高調波は透過媒質が存在するため位相操作が容易であり、計測法の妥当性の確認を行うことができる。5次高調波が透過する媒質として弗化カルシウムを用いた。弗化カルシウムの厚みを厚くしていくと、はじめパルス幅は縮まり位相分散も小さくなり、ついでパルス幅が伸び、位相分散がおおきくなることが観測された。パルス波形の変化は屈折率分散によるパルス波形の変化で説明され、FROG法により5次高調波のパルス波形が正しく計測されていることが確認された。その結果、高次高調波は発生時に負のチャープを持つことがわかった。これは、高次高調波の発生機構の理論から予想される原子双極子応答のレーザー強度依存によるものと考えられる。実際、理論式から高次高調波の位相を計算し実験結果と比較したところよい一致を示した。非線形光学結晶から発生する摂動領域の高調波とは異なり、強度依存の位相を持つというのは、高次高調波の一つの大きな特徴である。本研究の結果、高次高調波の強度依存の位相が初めて実際に確認された。これらの成果は、現在、Physical Review Letters誌に投稿中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Nabekawa, D.Yoshitomi, T.Sekikawa, S.Watanabe: "50-W average-power, 480-fs KrF excimer laser with gated gain amplification"Optics Letters. 26. 807-809 (2001)
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[Publications] T.Togashi, N.Nabekawa, T.Sekikawa, S.Watanabe: "Generation of milliwatt narrow-bandwidth vacuum ultraviolet radiation by an all-solid-state tunable high-average-power laser system"Optics Letters. 26. 831-833 (2001)
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[Publications] Y.Nabekawa;, D.Yoshitomi;, T.Sekikawa; S.Watanabe: "High-average-power femtosecond KrF excimer laser"IEEE Journal on Selected Topics in Quantum Electronics. 7. 551-558 (2001)
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[Publications] T.Sekikawa, T.Yamazaki, S.Miura, Y.Nabekawa, S.Watanabe: "Ultrafast Phenomena XII"Springer Verlag. (2001)