2001 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック材料設計に基づく単結晶ダイヤモンド薄膜の開発
Project/Area Number |
13750068
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萱場 智雄 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (60250677)
|
Keywords | 分子動力学 / 単結晶 / ダイヤモンド薄膜 / CVD / シリコン / 吸着 / 計算力学 / 数値解析 |
Research Abstract |
メゾスコピック材料設計に基づく単結晶ダイヤモンド薄膜の開発を目的として,CVD法におけるシリコン基板表面への炭素原子吸着メカニズムの把握の分子動力学シミュレーションを行った。その結果,基板表面に飛来する炭素原子について,基板に吸着する割合に入射速度および入射角依存性がないことを示した。 CVD法によるダイヤモンド合成過程において,炭素原子がシリコン基板に吸着するメカニズムは未だ明らかになっていない。基板表面に飛来したすべての炭素原子が吸着するわけではないと考えられるが,その詳細はわかっていなかった。そこで本年度は,CVD法によるダイヤモンド合成過程における,シリコン基板表面への炭素原子吸着のメカニズムの把握を目的として,炭素原子がシリコン基板に吸着する過程を対象とした分子動力学シミュレーションを行った。ここでは問題を単純化するため,反応ガスとして,メチルラジカル等ではなく炭素ラジカル(炭素原子)を対象とした。炭素原子の個数は1個とした。あくまで素過程を対象とするため,水素ラジカルの存在は無視した。原子間ポテンシャルとしてTersoffポテンシャルを用いた。得られた成果を箇条書きにして以下に示す。 1.基板表面に飛来する反応ガス中の炭素原子の速度及び基板表面とのなす角を種々変えシミュレーションを行い,炭素原子が基板に吸着する割合に入射速度および入射角依存性がないことを示した。 2.吸着位置とダイマとの位置関係について考察し,ダイマは,直接飛来した炭素原子を跳ね返すこともあるが,最終的に炭素原子の吸着位置になる場合が多いことを明らかにした。
|