2001 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料ボルト継手のスマート化によるヘルスモニタリング
Project/Area Number |
13750072
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
島村 佳伸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80272673)
|
Keywords | CFRP / 電気ポテンシャル法 / ヘルスモニタリング / ボルト継手 / 吸湿 |
Research Abstract |
1.電気ポテンシャル法を用いた静的負荷による圧潰破壊のモニタリング 炭素繊維強化複合材料の多方向強化積層板のダブルラップ試験片を作成し,準静的一軸引張試験を実施して,ボルト継手部損傷の模擬試験を実施した.積層構成は,航空機のトルクボックスを模擬している.試験片には電極を同時成形で貼り付け,直流電気ポテンシャル法で電気抵抗変化をリアルタイムでモニタリングした. その結果,面圧による圧潰破壊の発生の前後で,電気抵抗が急減し,除荷後も電気抵抗が減少したままであることを実験的に明らかにした.さらに,有限要素法解析と板厚方向の電気抵抗変化の測定結果から,その減少の原因が,負荷によって生じる層間のせん断応力による層間抵抗の減少に起因するものであることを明らかにした. 2.電気ポテンシャル法による吸湿劣化のモニタリング 交流電気ポテンシャル法を用いた吸湿劣化のモニタリングの基礎的検討のために,一方向積層板の交流電気特性のモデル化と,その吸湿に伴う交流電気特性変化を実験的に検討した. その結果,従来から経験的に正しいと考えられていたキャパシタンス成分が支配的な等価電気回路モデルが全くの誤りであることを実験的に明らかにするとともに,インダクタンス成分を含む新しい等価電気回路モデルを提案した.さらに,吸湿にともなう交流電気ポテンシャルの変化は等価電気回路中の抵抗成分変化の結果であり,初期〜中期段階ではFickの法則から吸湿曲線を推定できることを示した.
|