2001 Fiscal Year Annual Research Report
圧電セラミックスに対する損傷発展式の定式化と破壊解析への応用
Project/Area Number |
13750085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
水野 衛 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教授 (70239250)
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Keywords | 圧電セラミックス / 損傷発展式 / 疲労寿命 / 連続体損傷力学 / 圧電構成式 / 修正立方体モデル / 損傷変数 / ユニットセル |
Research Abstract |
応力場と電場の下で圧電セラミックス内部に生じる損傷を連続体損傷力学に基づく損傷変数で表し,損傷の発達におよぼす応力と電界の影響を損傷変数の発展式として定式化した.まず,圧電セラミックスの各種電界の下での疲労破壊試験結果を基に,繰り返し数に対する損傷の発展を損傷基準応力と電束密度の振幅の線形和のべき乗関数で定式化し,また,分極方向と反対方向の負の電界による内部応力の効果もその損傷発展式に組み込んだ.次に,圧電構成式におよぼす損傷の効果に対しては修正立方体モデルを用いた.すなわち,圧電セラミックス内部に生じる損傷を立方体の空隙で近似し,立方体の空隙が立方体のユニットセルの弾性係数,圧電定数,誘電率におよぼす効果を直列モデル,平行モデルの組み合わせによって定式化した.また,損傷変数を圧電セラミックス内部に生じる損傷による有効断面積の減少率と解釈することによって,圧電セラミックス内に存在する立方体で近似した空隙と損傷変数の関係を定式化した.したがって,圧電セラミックスの弾性係数,圧電定数,誘電率を連続体損傷力学に基づく損傷変数の関数として表すことによって損傷変数を圧電構成式に組み込んだ.そして,これらの損傷変数を組み込んだ圧電構成式と新たに定式化した損傷発展式を用いて,各種電界の下での疲労寿命を計算し,圧電構成式と損傷発展式の定式化の妥当性を検討した.その結果,疲労寿命におよぼす直流電界の影響,ならびに交流電界の影響,また,分極方向と反対方向の負の電界による疲労寿命への影響を適切に記述できることを確かめた.
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