2001 Fiscal Year Annual Research Report
任意材料基板上への結晶シリコンの低温・高速成膜に関する研究
Project/Area Number |
13750097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垣内 弘章 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10233660)
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Keywords | 大気圧プラズマCVD / 多結晶Si / 超高速成膜 / 低温成膜 |
Research Abstract |
大気圧プラズマCVD法により結晶シリコン薄膜を低温・高速形成する上で、大気圧中においても基板全体の温度を均一に保持することは極めて重要である。そこで、均熱型基板加熱ステージの設計・製作を行った。そして、製作したステージを現有の大気圧プラズマCVD装置に取り付け、その動作確認および熱分布測定などの性能評価を行った。その結果、高温(700℃)においても、基板面内温度の誤差は±10℃以下であり、結晶シリコンの成膜研究の再現性を確保する上で十分な性能であることが確認できた。 次に、設計・製作した均熱型基板加熱ステージを用いて、原料ガス(SiH_4)とともに使用する不活性ガスの種類およびH_2濃度、プラズマヘの投入電力、基板温度を変化させ、それらパラメータとシリコン薄膜の結晶性・結晶粒径との相関関係を系統的に検討した。その結果、500℃以下の低温においても、プラズマヘの投入電力を適切に設定するとともに、H_2/SiH_4比を十分に大きくすることによって、大粒径(粒径:約1μm)の多結晶Si薄膜をガラス基板上に高速形成可能であることが明らかになった。通常結晶シリコンは、基板温度を高温に加熱しなければ成長しないが、本研究で用いる大気圧プラズマは、従来の低圧プラズマに比べて桁違いに高密度なプラズマであるため、大気圧プラズマ中の不活性ガス(He, Arなど)やH_2ガスの中性ラジカル・ガス分子のもつ電子エネルギー・運動エネルギーが、膜の構造緩和およぴ結晶化を促進したものと考えられる。ただし、現段階では、大粒径多結晶Si薄膜を得るためには膜厚を厚く(1μm以上)しなけれぱならず、今後さらなる薄膜化を進めるためには、膜成長初期におけるシリコンの核密度の制御方法に関して詳細に検討することが重要である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Mori, H.Kakiuchi, K.Yoshii, K.Yasutake, M.Matsumoto, Y.Ebata: "High-Rate Deposition of Device-Grade amorphous Si By Atmospheric Plasma CVD"Proceedings of the COE International Symposium on Ultraprecision Science and Technology for Atomistic Production Engineering -Creation of Perfect Surface-. 187-192 (2001)
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[Publications] 垣内弘章: "大気圧プラズマCVD法の開発"生産と技術. 54. 46-49 (2002)