2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大西 修 九州大学, 大学院・工学研究院, 講師 (50315107)
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Keywords | 超音波振動 / 極小径穴加工 / 極小径ドリル |
Research Abstract |
立形マシニングセンタの主軸に振動数約75kHz,片振幅約0.5μmの軸方向超音波振動を発する超音波振動装置を取り付け,直径20μm岬の超硬フラットドリルをドリルホルダを介してこの超音波振動装置に固定し,ステンレス鋼(SUS304)に対して超音波振動極小径穴加工を行った.その結果,主として以下のような結果が得られた. 1.切りくず排出性について 超音波振動を付加しない場合,切りくず厚さが厚く,長い切りくずが排出される傾向が見られ,切りくずの排出状況は非常に悪いものであると考えられる.一方,超音波振動を付加した場合は,超音波振動を付加しない場合よりも細かく,また,薄い切りくずを排出する傾向が見られ,切りくずの排出性が向上すると思われる. 2.切りくずの凝着性について 超音波振動を付加しない場合,ドリル刃先に切りくずが凝着するのが見られた.一方,超音波振動を付加した場合は,瞬間的な切削となることで切削温度があまり上昇しないこと,また,断続的な接触状態になることから工具と工作物との間に隙間ができ切削油剤が流入して工作物表面に硫化物などの膜が生成されることなどによるものと思われるが,ドリル刃先への凝着が抑制されることが確認された. 3.切削抵抗について 超音波振動を付加しない場合,抵抗値は徐々に大きくなり,切りくずつまりのためと思われるが,穴深さ20μm〜30μmで折損することが多かった.一方,超音波振動を付加した場合は,超音波振動を付加しない場合よりも抵抗値が小さくなり,また,その変化もほぼ横ばいとなり,安定した加工が行われているのがうかがえた. 以上のようなことから,超音波振動を付加することにより,更なる加工穴の小径化やより加工の困難な材料への極小径穴加工が可能であると思われる.
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