2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全対策のためのセミドライBTA方式深穴加工法の実用化研究
Project/Area Number |
13750111
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
明石 剛二 有明工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10202516)
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Keywords | 深穴加工 / BTA方式 / セミドライ / 切削油 / ミスト / 潤滑 / 加工精度 / 環境 |
Research Abstract |
地球規模で環境問題に対する取り組みが開始され,機械加工分野においても切削油の使用を極力低減させる試みが始められているが,本研究で対象としているBTA(Boring and Trepanning Association)方式加工法は,高圧多量の切削油を工具先端に送り込み,この切削油の流体圧力で切りくずを押し流して排出しているのが現状である.(切削油を多量に使用するため加工精度および工具寿命においてもよい結果を与えることは明白である) しかし近い将来必ず,深穴加工においても多量の切削油を用いない加工法を確立させることは避けられない.そこで,高圧多量の切削油を使用する代わりに空気流による切くず排出法を考案し,環境保全対策のためのセミドライBTA方式深穴加工法の実用化の指針を得ることを目的として研究を遂行した. 切りくず排出に空気流を用いたシステムを構築し,空気吸引式においてスムーズに排出できる切くず形状を検討し,理想的切くずを発生させるような最適な切れ刃形状(チップブレーカ形状等)および切削条件を明らかにし,加工実験(鋳鉄,アルミニウム,鋼)において,空気流を用いた切くず排出が可能であることを示した. さらにセミドライ化において問題となる工具寿命に関しては,切削油の種類(環境問題を含め,植物油も検討)・供給量(空気中の含有切削油量)および供給方法(外部給油(切削油滴下)およびミスト給油(微量の切削油と空気を効率的に混合し,適切なオイルホール径および位置を選定)を変え,その傾向について分析を試みた.また,構成刃先についても検討を加えた.さらに,加工時の温度変化の観察に加え,加工精度(面粗度,穴径など)の比較検討も行った. 本研究において,実用化のための課題を抽出し,その解決を図ったことにより,BTA方式工具における深穴加工法のセミドライ化への実用化の第1歩を示すことができた.
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