2001 Fiscal Year Annual Research Report
高機能人工軟骨を有する人工関節の開発と実用化に関する研究
Project/Area Number |
13750122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 和弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70315109)
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Keywords | バイオトライボロジー / 摩耗 / 摩擦 / 人工軟骨 / PVAハイドロゲル |
Research Abstract |
人工軟骨候補材料の一つであるPVA(polyvinylAlcoho1)ハイドロゲルを用い摩擦摩耗挙動について調査を行った.PVAハイドロゲルの機械的特性を調査した.本研究では反復凍結法によりPVAハイドロゲルを作製したが,反復凍結の回数により機械的強度が異なることを明らかにし,さらに最適な条件を明らかにした.以後の試験ではこの最も機械的強度が高くなる条件で作製したPVAハイドロゲルを用いた.臨床応用を考慮し半関節形成術を想定し,摩擦面の一方に生体軟骨もう一方にPVAハイドロゲルを使用し薄膜の潤滑条件となる単純化した往復動試験によりその摩擦摩耗挙動を調査した.潤滑液として生理食塩水にヒアルロン酸及び生体の関節液に含まれる代表的な蛋白質としてアルブミンとγ-グロプリンを添加したものを用いた.試験後の表面観察を行い代表的な2種類の蛋白質を添加した潤滑液を用いることで摩耗が低減することを明らかにした.さらにPVAハイドロゲル同士を摩擦面に用いその臨床応用の可能性について荷重及び潤滑液を様々に変化させて調査した.潤滑液としてはアルブミン及びγ-グロブリンを2:1の割合で添加した場合に摩耗がかなり低減されることが明らかとなった.また,蛋白質添加の総量が摩耗に大きく影響を及ぼすことが新たに明らかにされた.蛋白質を過剰に添加した場合には摩耗が促進され,また少量では摩耗保護作用が少ないことが明らかとなった。適切に蛋白質を添加した潤滑液を用いることで低摩擦・低摩耗となるため臨床応用も可能と考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuhiro NAKASHIMA, Teruo MURAKAMI, Yoshinori SAWAE: "Evaluation of Tribological Properties of Polyvinyl Alcohol hydrogel as Artificial Cartilage"Proc. International Tribology Conference Nagasaki, 2000. Vol.2. 1537-1540 (2001)
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[Publications] 中嶋和弘, 村上輝夫, 澤江義則: "PVAハイドロゲルの摩擦摩耗特性"日本臨床バイオメカニクス学会誌. Vol.22. 135-139 (2001)