2001 Fiscal Year Annual Research Report
玉軸受の玉運動測定及び玉自転角速度算出精度向上に関する研究
Project/Area Number |
13750123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
藤 智亮 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (60274544)
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Keywords | 玉軸受 / 運動 / 角速度 / 数値実験 / 精度 / 測定 |
Research Abstract |
ホール素子と磁化玉を用いて,作動中の玉軸受の玉運動を測定することができ,この測定データから,定性的に玉運動の様子を知ることができる.この玉運動を定量的に明らかにするために,玉自転角速度を算出する計算式が提案されているが,実際の測定データをもとに計算を行えば,算出値がばらつき,信頼できる結果が得られていない.この原因は,測定誤差や量子化誤差の影響と,玉自転角速度の計算式導出過程における一つの仮定(微小時間内で玉自転角速度一定)にあると考えられる.本年度は,玉自転角速度の算出方法の改良を中心に研究を進めた.概要および成果は次の通りである. (数値実験) 1.玉自転角速度が一定でない状況を設定して,そのときの測定データに該当するデータを数値的に作成する手法を提案し,実際にコンピュータ上でデータを作成した. 2.数値的に作成したデータを,既知の玉自転角速度計算式に適用して,計算結果が設定した玉自転角速度とどの程度一致するかを定量的に確認した.その結果,計算値は設定値と良い一致を示さなかった. 3.玉自転角速度算出式に代入する玉表面速度を補正することにより,計算値は設定値と良い一致を示すことが明らかとなり,自転角速度算出値の信頼性が格段に向上した. (実験) 1.非磁性体である真鍮材とステンレス材を用いてスラスト玉軸受の内外輪を新たに製作した.この内外輪を試験軸受に用いることにより,軸受に組み込んだ磁化玉周りの磁場の歪みを回避することができ,精度良い玉運動測定が可能となることが期待される. 次年度以降は,非磁性体で製作した軸受内外輪を実験装置に組み込み,玉運動を測定する.また,市販の軸受の玉運動測定も同時に行い,両者の測定結果を比較・検討し,実際の軸受中の玉運動を精度良く測定・解析する方策を確立する.あわせて,自転角速度算出値の信頼性向上のため,さらに数値実験を進め,算出式を改善する予定である.
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