2001 Fiscal Year Annual Research Report
壁面振動による流体摩擦抵抗低減とそのメカニズム解明
Project/Area Number |
13750130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90311521)
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Keywords | 流体工学 / 抵抗低減 / 壁面振動 / 境界層 / 縦渦 / ストリーク / 乱流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、流れの中におかれた物体の壁面を流れ方向に対し垂直(スパン方向)に振動させるによって、流体摩擦抵抗を低減させること、およびそのメカニズムを解明することにある。 本年度では、まず振動板システムの製作を行った。振動板は、クランク機構を介してモーターによって駆動され、振動の振幅を2.5〜17.5mm、振動数を1〜7Hzと変化させることができる。 振動板システムを乱流境界層の発達した風洞壁面に設置して、振動させた状態での速度と摩擦抵抗係数の測定を行った。測定を行った主流速度は2.0m/sである。その結果、摩擦抵抗低減に最適な振幅が15mm、振動数が7Hzであり、最大30%の摩擦抵抗低減効果があることを明らかにした。これはリブレットによって得られる摩擦低減効果(約8%)より、はるかに大きいものである。 低減効果の大きい15mmという振幅は、摩擦抵抗の要因となる境界層中の縦渦のスパン方向間隔(無次元長さz^+=100)の半分に相当する。このことから、スパン方向振動により隣り合う縦渦が干渉し、お互いを崩壊させるのに十分な大きさの振幅を与えれば、大幅な摩擦抵抗低減が可能になると予想される。このことはスパン方向振動によって摩擦抵抗が低減されるメカニズムの一つと考えられる。 また、最適な振動数7Hzについては、振動の無次元周期T^+に換算すると100程度となり、他の研究者による数値計算や実験にほぼ一致する結果が得られた。 次年度では、せん断応力センサーを用いて摩擦抵抗係数の実測を行う予定である。
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