2002 Fiscal Year Annual Research Report
パルスデトネーションエンジン(PDE)の開発を目指した基礎研究
Project/Area Number |
13750134
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小原 哲郎 埼玉大学, 工学部, 助教授 (80241917)
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Keywords | パルスデトネーションエンジン / デトネーション / 燃焼 / デトネーション遷移距離 / 酸素・水素 |
Research Abstract |
パルスデトネーションエンジン(PDE)は,これまでのジェットエンジンの構造と大きく異なる.すなわち,PDEではエンジン筒内に燃料と酸化剤をパルス状に噴射させて,混合気を着火しデトネーション波を発生させ既燃気体をノズルによって噴射し推力を得るのが基本原理である.しかしながら,PDEはまだ構想あるいは試験段階にあり,実用化するには至っていない.そこで,申請者はPDEの開発に必要な基礎データを得ることを研究目的とし,本研究課題を遂行した.まず,研究の初年度において,PDEの試作機を構築し,実験を開始した.本年度においては系統的に実験を進め,主に以下の知見が得られた. (1)本装置におけるデフラグレーション波からデトネーション波への遷移過程(DDT過程)では,混合気の点火位置を管端より下流の側壁上で行うことで上流と下流へ伝ぱする2つのデトネーション波を生成し,特にスラスト壁付近で生じる過大デトネーションは点火位置から非常に短距離で生じることを明らかにした. (2)筒内に噴射するした際の混合気の初期圧力や当量比の影響について調べ,燃焼後の圧力変化について明らかにした.また,量論混合比においてDDT過程への短縮効果が大きいことを明らかにした. (3)本装置により作動周波数50Hzまでのパルス作動が可能なことを明らかにした.また,得られる比推力は作動周波数によらず一定となること,すなわち推力がサイクル速度に比例して増加することを明らかにした. (4)エンジン筒内に挿入する内部障害物はデトネーション波の伝ぱ持続性を高め比推力が増加すること,また管の長さの増加はノズルのように作用し比推力を増加できることが明らかとなった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小原 哲郎, 大八木 重治, 有賀 洋介, 加藤 肇: "開放端から放出された衝撃波に関する実験と数値シミュレーション"日本機械学会論文集(B編). 68・668. 1036-1043 (2002)
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[Publications] Yamanaka A., Ariga Y., Obara T., Cai P., Ohyagi S.: "Study on Performance of Detonation-Driven Shock Tube"JSME Int. J., Series B. 45・2. 425-431 (2002)
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[Publications] Obara T., Ohyagi S., Katoh H., Kim T.-H.: "A Study on the Reflection of a Diffracted Shock Wave -Evaluation of maximum pressure behind reflected shock wave-"Proc. 10th International Symposium on Flow Visualization. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] Ohyagi S., Obara T., Hoshi S., Cai P., Yoshihashi T.: "Diffraction and Re-Initiation of Detonations behind a Backward-facing Step"Shock Waves. 12. 221-226 (2002)
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[Publications] Obara T., Ohyagi S., Ariga Y., Cai P.: "A Study on the Reflection of a Diffracted Shock Wave"Proc. of the 23rd Int. Symp. on Shock Waves (Ed. Frank K. Lu). 1282-1289 (2002)